BOOK REVIEW vol.024 自分の素晴らしさに気づいてますか
今回のブックレビューは、 マドモアゼル・愛さんの『自分の素晴らしさに気づいてますか』です!
“私は私のままでいい”
自分を愛し、安心して生きようと思える、お守りのような一冊
人は誰でも、過去に受けた傷やもつれたままの感情を抱いて生きている。マドモアゼル・愛さんの『自分の素晴らしさに気づいてますか』には、そんな傷や感情を含む「自分の心との付き合い方」や、私たちが「自分自身の素晴らしさ」に気づくためのノウハウが語られている。
著者のマドモアゼル・愛さんと言えば、西洋占星術師としてとても有名な先生。でもこちらの本には西洋占星術の話は書かれておらず、その代わりに私たちが心から安心して生きられる道へと導く、優しいメッセージがふんだんに綴られている。表紙や挿画のイラストやフォントも素敵で、ブルー、イエロー、ピンクからなるメインカラーの淡い色使いからも優しさバイブスが伝わってくる。
私にも子どもの頃、心の奥に閉じ込めた感情やその時にできた心の傷がある。ページを読み進めながら、その傷や感情に、数十年ぶりに恐るおそる触れることができたような気がする。それらは年齢を重ねるうちに、いつの間にか“ないもの”にしていた(したかった)けれど、実はずっと私の心の奥に“存在していた”という事実に、ようやく向き合うことができたように思う。そして今の今まで、私は親が望んでいた「理想的な子ども」を「本当の自分」として生きていたことにも気づいた。
親に褒められたい(見放されたくない)あまりに、ぐっと堪えて行き場を無くした感情。それは決して悪者ではないということを、マドモアゼル・愛さんのメッセージから受け取ることができた。もう隠す必要などなくて、その感情も含めて「本当の自分」であることをただ肯定してあげればいいんだ…という気づきはとても大きく、ようやく何かを許せた気がして涙が出た。
『自分の素晴らしさに気づいてますか』には、恋愛、友情、お金、感情、心、そして自分と他者を愛すること等・・・さまざまな角度から「本当の自分」へと導く言葉が数多く綴られている。
「本当の自分」を取り繕おうとして、どこかで「架空の自分像」を懸命に演じようとしていた私。そして心の中にある“ものさし”で勝手に他者と自分を測り「私の考えなんて大したことない。他の人はすごい」と日常的に自分を軽んじていたことにも気づくことができた。この生き方が染みついている私には、マドモアゼル・愛さんの言葉に時々痛みを感じたけれど、もつれていた感情がほぐれていくような安堵感もあった。
大切なことは「私は私のままでいい」ということ。自分を責めながら生きるのは、もうおしまい。ありのままの自分を肯定することは簡単とは言えないけれど、この一冊に出会えたことで、その一歩を踏み出せるような気がしている。