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面白い料理の勉強


料理だけ勉強してもつまらない

料理を勉強していると、ついつい料理だけを勉強してしまう傾向がある。
しかし、私の経験では、料理だけを勉強しても「つまらない料理人」になってしまうと思っている。
なので、今回は少し違った視点で「食」を見てみよう。

「同じ料理を毎日食べれるか?」っと質問されると、ほぼ全員が無理と答えるだろう。

なぜかと聞かれると、飽きるから

しかし、考えてみると
日本人なら、ほぼ全員「白米」を毎日食べる。

「なぜ、料理は飽きるのに白米は飽きないのか?」

今回はこのテーマから考えていく。

白米は全て同じ味ではない

お米の銘柄を見てみると、様々な商品名が書かれている。
例えば、「コシヒカリ」や「つや姫」など
これらは、品種が違うので、当然、味が違う。

なら、同じ品種でも産地が違うと味は違うのか?
と、聞かれれば、恐らく味が違うと答えるだろう。

理由を聞くと、「水質が違う」や「土壌が違う」、「気温が違う」などと答えるだろう。

なら、同じ田んぼから取れた米は同じ味か?
と聞かれたらどうだろう。

同じ味の気もするし、違うような気もする。

実は答えを言うと、同じ穂(ほ)から取れた米でも、一粒ずつ味が違う
この理由は、穂先に行くほど、米のタンパク質含有量が高く、根元になるほどタンパク質含有量が低くなるためである。

どうやら、粒ごとに8~15%と変動幅があるようだ。
さらに、アミロース(タンパク質)の含有量やミネラル成分も一粒ずつ違うため、味だけでなく硬さ(粘弾性)も違ってくる。

なら、一歩進んで
何故一粒ずつ米の成分が違ってくるのか?
を考えてみる。

これは稲穂(いなほ)が開花する順番と関係するのである。
稲穂は、同時に開花するのではなく、あえて開花をずらしているのである。
この理由は、多様性を持たすためである。

稲が自然界で生き残るために、早く成熟するものと遅く成熟するものを作ることで、全滅するリスクを回避するためと考えられている。

つまり、ご飯粒は、食感や味がばらつきを持った集団であるため、同じ味ではない。
そのため、飽きないと考えられている。

逆になぜ飽きるのか?

ご飯が全て違う味だから飽きない。
この理論は、直感的には納得できると思う。

しかし、なら逆に、なぜ人間は同じ食事を食べ続けると飽きるのか?
について考えてみる。

もし、なぜ飽きるのか?と聞かれると、
「食べたくなくなるから」や「味が予想できるから」など、なんかふわっとした答えしか出せないだろう。

一般的に考えられている理論としては、飽きること(新しい食を求めること)で、リスク分散をしていると考えられている。

仮に同じ餌が好きな生物がいたとして、その餌ばかり食べ続けると、何らかの理由でそのエリアから餌が無くなった場合、全滅するリスクがある。
このリスクを回避するために、つまり同じ食事をとり続けないようにするために「飽きる(雑食性)」というセーフティがはるか昔から人間(猿)に備わっているという考えである。

しかし、一方で新しい餌というのは「毒」などの可能性がある。
コンビニでお菓子を買うときに、新商品ではなく、いつもの食べ慣れたやつを買ってしまうのは、無意識に危険を回避していると言える。
半面、新しいものを食べてみたいという欲求もある。

人は、「新しいものを避ける」と「新しいものを食べてみたい」という欲求が常に混ざっているのである。
これらは、無意識的に遺伝子に刻まれていると考えられているのである。

答えは分からない

「飽きる」「新しいものを避ける」「新しいものに興味がある」
今、様々な理屈(理論)を説明したが、結局のところ分からないというのが現状である。

あくまでも、「そう考えられている」っというだけである。

ただ、今回の話で私から伝えたいことは、
料理の勉強は食材や調理だけの知識では面白くない
である。

人間心理や食文化、生物学や地政学など幅広い知識を知ることで、
料理について色々な見方ができるようになる。

こういった内容を知っていると、
本当の意味で料理の勉強が面白くなってくる
と私は感じている。
一見、食と関係ないジャンルの知識も、どんどん繋がっていく面白さを感じてほしい。

今後は、こういったことも記事にしていく予定なので、一緒に勉強していこう。

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