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もう逃げない! 闘争ー逃走反応を制してメンタル強化!
こんにちは。すまいるかです。
皆様は熊と出会ったらどうします?逃げます?闘います・・?
まあ、熊なら逃げますよね。犬ならどうでしょう?闘う人も出てきそうです。
今回のテーマは、人間が危機に出会ったときの反応である、闘争-逃走反応なのですが、その中でも闘争か逃走かの基準について具体的に考えてみました。
理由は、これがコントロールできれば、ストレスのかかる場面で、より挑戦的なスタイルでいられるはずだからです。メンタルヘルスにも応用できそうです。
闘争-逃走反応自体は心理学を勉強しているとよく出てくるキーワードですし、ご存知の方も多いと思います。でも、その中身について”危機に直面して交感神経が活性化したときに、その人の性格や過去の経験をもとに闘争か逃走かを決める反応”という言葉はよく出てくるのですが、闘争と逃走の具体的な判断基準に触れている記事は今の所見当たりません。
ということで、無いのであればしょうがない。勝手に自分で想像できる範囲で定義して応用方法を考えてみよう!ということでこの記事を書いてみました。
危機とは・・?
まずは危機の定義をしたいと思います。これが交感神経を活性化し、闘争-逃走反応のきっかけになる出来事です。人間は何を持って危機と認識するのでしょうか?
一番わかりやすいのは、命の危険(リスク)ですね。熊に出会ったら一瞬で身体の運動機能が活性化するはずです。地震、雷、火事、親父(?)、これらは昔から恐れられていたものであり、どれもその対象ですね。
その他にも、言い争いになったり、危険な行為をされた時、スポーツのように勝ち負けがある状況などで交感神経が活性化して、闘争か逃走かの選択をするような場面が訪れそうです。
少し、心理学の知識を借りたいと思います。
産業心理学では、「危機(リスク)=ハザード(被害の大きさ)×頻度」と定義するそうです。わかりやすいです。
そして、もう少し掘り下げたスロヴィックさんのリスク認知の基本的な2次元は、”未知性”と”恐ろしさ”だそうです。つまり、未知性が高いものや恐ろしいと感じたものはリスクとなるわけですね。
逃走を決めるもの
それでは、”闘争”ではなく”逃走”の判断に至る基準は何でしょうか。上記でリスク認知は未知性と恐ろしさだと述べました。つまり、これらがある閾値を超えると手に負えない、と逃走を選択するのだと考えられます。
以下、未知性と恐ろしさについて更に深掘りしてみたいと思います。
まずは未知性。何であるかわからない状態の時に警戒心がとても高まるという経験は皆様お持ちだと思います。例えば、夜中に不思議な音だけ聞こえる、このような状況は未知性のわかりやすい例です。また、目に見えたとしても、それが何であるか判断できない時、私たちはそれらに近づくか遠ざかるかを判断しなければいけませんが、未知で動く物体のような場合は基本的に逃れることを選択するように思います。(動かない場合は近づくだけじゃ危険じゃ無いことが多いですものね。)
未知性というのは確かに我々のリスク認知に効いてそうです。
ところで、未知性とは何でしょうか?
人間は5感で物体を判断します。つまり、見た目、音、匂い、触り心地、味、これらが何であるか判別できないものを未知と判断しているのでしょう。
未知の見た目(形、色など)、未知の音、未知の匂い、未知の味、未知の触感。これらを感じ取った時に我々は未知性を感じ取るのだと思います。
そして、これらから自分の予測できない範囲の未知が訪れたときに危機を感じるのだろうと思います。ただし、未知であっても恐ろしさの小さいもの、例えば小さな音だったりすると危機は感じないかもしれません。ですから、未知性と恐ろしさは相互に作用するものだと考えられます(未知性×恐ろしさ?)。
次に恐ろしさです。今回のテーマの核心はここにあります。しっかり深掘りしたいと思います。我々は何でもって恐ろしさを判断するのでしょう?私は動物や小さい子の行動がとても参考になると思います。
例えば、動物は自分より大きな動物に対して恐れることが多いようですね。野生の動物に出会ったら、自分をより大きく見せるように!なんてことを小さい時に言われたことがあります。ある程度は有効でしょう。そして、色や形でも恐怖を判断することがありますね。派手な色は毒がある、とか、尖っているものは危ない、とか。これらはその個体の見た目に起因する要因になります。
他にはどうでしょう?数もあると思います。熊が1匹よりも2匹の方が怖いですものね。まあ、熊の場合は1匹でも十分に怖いですが、犬ならこの数の効果はよりわかりやすいと思います。
他にも、音や匂いも我々が恐ろしいと感じるものがあるはずです。未知に属するものもありますが、既知でも何かを叩く音や叫び声は恐怖の対象となります。匂いも排ガス臭からは離れようと思いますよね。
そして、対峙しているものの能力。能力に関しても、未知性と併存することになると思います。服を着てたらどれだけ筋力があるかわかりませんよね。頭脳は外からでは全く判断できません。相手が毒を隠し持っていたら?針を隠し持っていたら?見た目では全然判断できないと思います。その証拠に、小さい子は車を怖がりません。あんなに硬くてスピードを出した物体が恐ろしいものだと最初はわからないのです。動物も車を怖がりません。だから山道ではひかれている動物をよく見かけます。このように、能力は経験や知識がないと判断ができないことが多い(未知性が高い)ように思います。
もちろん、認知できた上で恐ろしい能力というのもあります。経験上、そのものが硬いか柔らかいか、はわかりやすいですね。賢そうに見えたり、強そうに見えたり、毒を持っているか否かを見分けたり。そのようなものが能力による恐ろしさに関連すると思います。
とすると、闘争か逃走の判断をする次元が6つほどに分類できそうです。基本的には5感+能力とそれに対する未知性、でしょうか。
・見た目(大きさ、色、形、数)
・音
・匂い
・触感(硬い、柔らかい;経験による予想も含む)
・能力(毒や武器など)
・未知性(見た目(形、色)、音、匂い、味、触感、能力)
これらが自分の許容を超えると認識したものに対して我々は恐怖を感じるわけですね。なるほど。
どうすれば闘争を選択できるか
繰り返しになりますが、我々の目的の1つは闘争反応を選択できるようになることだと思います。本当に争う必要はありません。逃走ではなく、その物事に真正面から向き合えることが大事だと思うのです。そしてこれが我々の人生を豊かにしたり、精神疾患の予防につながると思うのです。
では具体的にどうすれば闘争を選択できるのでしょうか?
一つずつ見ていきたいと思います。
具体的事例として、喧嘩(の抑止)、上司との議論、大きなプレゼンの場あたりを想定してみます。そして、基本的には人間関係なので、相手より自分の方が恐ろしそうに感じる条件において闘争を選びやすくなるのだと考えられますので、各要因について、そのように考察していきたいと思います。
・見た目(大きさ):私、最近太りました・・。休職してから勉強中に完食が増えすぎてしまって・・。以前はバタピー、今はドライマンゴーにハマってます。それはどうでも良いのですが、妻曰く、少々太った方が強そうに見えるそうです。私はそれまでだいぶ痩せてました。筋トレはしてましたけど、身体の線が細かったのですね。初対面では舐められるよ、とよく妻に言われてました。太るのが良いとは当然言いませんが・・、適切な体づくりは当然、見た目に大きく寄与しますので、気長に取り組むのが吉だと思います。また、着膨れするだけでも効果はあると思います。冬限定ですが。守られている感もあって、より堂々としていられるのでは?
喧嘩の場合は上記で十分な気がしますが、上司との議論の場ではどうでしょう?身体が大きいだけでも十分威圧感は出ますが、それだけではなくて、態度を変えてみてはいかがでしょうか。人間は横柄な態度を取ると横柄になるそうです。背筋を伸ばして自信のありそうな態度を取ることは、人間を物理的にも大きく見せますし、それだけではなくて自分自身も自信を持って話すことができるのではないでしょうか。
大きなプレゼンではどうでしょう。よく壇上に立ちますよね。これがまた緊張感を煽って逃げたくなるわけですが・・、逆の思考を持ってはいかがでしょう?自分が偉くなったのだと。実際、聴講者から見ると壇上に立っている方は頼もしく見えます。そういう効果を狙ったものでもあるはずです。壇上に立つ時にはそういう意識も忘れずに持つことが少しでも緊張を軽減する手段になるように思います。そしてこちらでも、あたかもベテランのように振る舞う、すごいスピーチの動画をたくさんみてみる、などの形から入る作戦も有効かもしれません。
・見た目(色や形):あくまで経験上の話になりますが、色は原色に近い色の方が目立つ=警戒感が増す、なんて認識ありませんか?毒を持つものは色鮮やかですよね。逆にいうと、普通の生物はさまざまな色が混ざっているのが普通なのでしょう。自然に溶け込めないと生存確率が下がりますからね。
形はどうでしょう。やはり丸いものが安心しますよね。角が出ているものは注視=警戒感が増すと思います。危険を感じているのですね。
これを応用するにはどうするか。相手より恐怖を感じる格好になれば良いのです。例えば、真っ黒なビシッとしたスーツを着るだけで迫力出ますよね。靴の先が尖ってたり。髪の毛を立てたり。これら一般に目立つと言われるスタイルは、やり過ぎるとイタい人になりますが、適度に取り入れるのが心理的にも効果があるということです。ですから、上司との議論やプレゼンではしっかり格好を整えましょう。喧嘩を抑止するにもこれらはある程度効果があるように思います。近寄りがたいですもんね。相手にもよりますが、、。
・見た目(数):当然ですが、治安の悪いところに行く必要があれば、複数人で行動すべきだと思います。犬を連れているだけでもだいぶ安心感があると思います。
上司との議論でも同様です。1人でも多くの自分のサポーターを連れて行くのが安心できる材料になるはずです。気をつけなければいけないのは、後ろから刺してくる上司です。私も何度かやられたことがあります。味方だと思っていたら敵だった・・・ということが・・。一緒に連れて行く人の人選から勝負は始まっています。もっというと、配属の時に少しでも上司を選べるならその時点から勝負は始まっているということだと思います。
大きなプレゼンの場では、特に問題になりそうです。聴講者は発表側の人員より多いのが当たり前ですからね。私の提案は、聞いてもらいたい人を何人かに絞ることです。全員が聴講者だと思うから緊張します。よく、ジャガイモだと思え、なんて言われますが、自分にはちょっと・・・無理でした。代わりに、左、真ん中、右の3箇所くらいに3人くらい注目する人を決めておいて、その人たちだけに向かってプレゼンするのです。そうすると少し気持ちが楽になりませんか?
・音:大きな音は恐怖を煽ることが多いですね。また、突然の音の方が余計に恐怖を感じます。ホラーのようなドロドロ系の音はどちらかというと未知性に近い気がします。大きな音は物が破損した時のように、何であるかが予想できるから怖い、というものも多いですよね。
応用としては自分の声を大きくする&声の強弱(メリハリ)を強くすることでしょうか。また、低めの声でも相手は威圧感を感じると思います。これは昔からの名残なのでしょう。例えば、猛獣は低く大きい声ですよね。私もなかなかできないのですが、自信を持って戦略的に大きいこえで接するというのは、喧嘩でも議論でもプレゼンでも有効だと思います。
・匂い:人間関係で匂いというと体臭を思い浮かべてしまいますが・・、香水も適度であれば有効な気がします。もしくは可能であれば部屋のアロマなど。でも部屋の香りは双方に聞いてしまいますし、攻撃的な香りをつけて歩くのもなんだか・・、と思いますので、私のお勧めはねりお香です。そして、主な狙いは攻撃的になるのではなく、逃走しなくて良いように落ち着くことです。手首あたりにつけておいて、必要な時に嗅ぐと気持ちが落ち着きます。沈香あたりはお勧めですね。
・能力:これは難しい問題です。外から測れませんから・・。そもそも未知性の要素が高いものですから、まずは既知にする必要があります。そのためにははっきり言って、経験を積むしかありません。
そして人間関係として影響しそうな要素は賢さ、筋力なんかがあると思います。筋力は自分がトレーニングする以外にありません。ですから、賢さにフォーカスしたいと思います。賢い人との議論は骨が折れるものです。次から次に難しい話題になったり、テンポが早いですからね。対策する方法はあるでしょうか?賢くなるというのは難しいことですが、話術を勉強することはできそうです。最近はそのような啓発本も多いですしね。あとは十分な準備をすることでしょうか。議論は相手を説得できることが大事ですから、それだけの理論武装を事前にすることはとても大事なことだと思います。
また、自らを知識のある人に見せることもできます。資格や肩書を得ることです。これらは最低限の能力を保証することになりますから、相手にとって自分の能力を高く見せることができるはずです。但し、逆に相手の資格や肩書がすごいからといって尻込みしてはいけません。その場合に対応できるように、やはり十分な準備は怠らないように気をつけましょう。
・未知性:これは未知の時点で負ける要素になってしまうので、能力の項と同じくまずは既知にするために経験を積む以外にありません。他には、自信がつくくらい勉強することくらいでしょうか。実際、若いうちは特にこの威圧感に苦しめられることが多い気がします。基本的に先輩や上司の方が能力は高いはずですし、経験も不足していれば見極める能力も足りませんから。
但し、相手にとって自分の未知性を高めることはできます。わかりやすいのは見た目の項でも述べた、形から入る(ビシッとしたスーツを着る、など)ことです。中身が伴っているのがもちろん最高ですが、勝つ、負けるに関して言えば、特に初対面では非常に効果的でしょう。肩書や資格も同じです。実力を伴っているかはわかりませんが、すごく知っているかもしれない、という未知の認知部分を相手に与えます。
子を守る母親の闘争反応活性
最後に1つ。
子を守る母親というのは本当に強いですよね。
私の妻は自分の顔面が地面にぶつかるのを犠牲にしてでも子供の地面への激突を完全に阻止しました。自分だったら同じ行動ができただろうか・・、と心配になります。
動物もそうですよね。熊は子供がいると激しく襲いかかってくるといいます。蜂のような昆虫類もそうですね。巣を襲われると命を顧みずに一斉に襲いかかってきます。
我々のDNAにはそれくらい昔の頃から、新しい命を守るためのプログラミングがされている、ということになるのでしょう。
これを応用するというのは難しいことですが、母子家庭の母親の強さ(私の母親も)というのはよく理解できる気がします。住む場所を確保する時、食べ物を確保する時、節約をする時、仕事を探す時、いつ何時も背水の陣のような気迫を感じていました。
そういう意味では1つだけ応用方がありました。そういう状況でない我々も、背水の陣を敷く、ということですね。
失敗した時の言い訳を先に考えたり作ったりすることをセルフ・ハンディキャッピングというそうです。自分の精神を守るためには必要な行動だと思いますが、火事場のクソ力を出すためには、時には背水の陣を敷くことも効果的なのかもしれません。
終わりに
いかがだったでしょうか?
今回は闘争-逃走反応のメカニズムから具体的な応用までを考えてみました。
私は形から入るのがとても嫌いです。しかし、このように考察していくと、形から入ることの重要性もよく理解できます。謙虚になりすぎるのではなく、相応の格好を気にするくらいはしなければいけないと再認識することができました。
皆様へも少しでもご参考になれば幸いです。同時に、もっと色々なやり方があると思いますので、ご教授いただけましたら幸いです!
それでは、良い一日を!