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ケーススタディその1~家庭におけるミッション・ビジョン・バリュー~

こんにちは。
このnoteを開いてくれてありがとうございます!

これまで僕は2児の父親、そしてMBA学位取得者という立場から、

「育児で学べるビジネススキル」

というテーマで、発信をしてきました。
(↓のような記事を書いてきました。)

この度少し違った手法で、育児や家事など、家庭から学べるビジネススキルについてお届けしていきたいと思います。

今回から、ビジネススキルを学ぶことができるように、ある家族の物語を創作してみました。

所謂「ケーススタディ」というものです。

このnote、3段構成となっておりまして、

①家庭が直面した課題に関する物語(ケース文)と問い

②このケースにおけるラーニングポイント

③その問いに対して、ケースの家族はどう行動したか

という形式でお伝えしていきます。

このシリーズを読むメリットとしては、

・家庭によくある課題を解決するヒントが得られる

・ビジネスフレームワークなど、ビジネスに関する考え方が身につく

・事例があることで自身の生活にも転用しやすい

ということが挙げられます!

初の試みですので、これから修正していくようになると思いますが、ご意見など頂ければと思います!

※物語形式ですので、4000字弱と少々長めになっております。申し訳ありません。



家庭経営戦略ケーススタディ
〜佐藤家のミッション・ビジョン・バリュー〜

ケース「昇進と家族の未来——佐藤家の教育方針を描く」

※ケース内の登場人物は架空の存在です。

佐藤家は共働き家庭で、夫の**健太(36歳)は営業職のリーダーとして働き、妻の美咲(35歳)**はマーケティング職でキャリアアップを目指している。
二人の子ども(5歳の長女と3歳の長男)は好奇心旺盛で、日々の育児に追われながらも充実した生活を送っている。


最近、美咲は職場で昇進の打診を受けた。
引き受けるとさらに忙しくなり、育児や家庭との時間が減る可能性があるため悩んでいる。
一方で、昇進によって収入が増えれば、子どもの教育資金や家族旅行といった家庭の目標に近づけるとも思っている。

美咲:
「昇進の話が来たの。正直引き受けたいけど、忙しくなると今以上に家族の時間が減る気がして、悩んでるのよね。」

健太:
「すごいじゃないか。でも、そんなに迷うなら無理する必要はないんじゃない?子どもたちのことも考えると、今のままでも十分じゃないか?」

美咲は、健太が自分を気遣ってくれたことに感謝しつつも、もっと背中を押してほしかったと感じた。
「私たちは、家族として何を目指しているんだろう」と心の中で問いかける。


その夜、二人は子どもたちを寝かしつけた後、リビングで話し合った。
話題は、これまで後回しにしてきた家族旅行の計画に及んだ。

美咲:
「ずっと話していた旅行、全然計画できてないよね。仕事が忙しいからって何度も後回しにしているけど、これって私たちの優先順位が問題なんじゃない?」

健太:
「でも、旅行はただの楽しみじゃないか?それよりも昇進や収入のことを考えたほうが、将来的には良いんじゃないか?」

美咲:
「旅行はただの楽しみじゃないよ。子どもたちにいろんな経験をさせることだって、立派な教育じゃない?家族として、何を大事にしていきたいのかを考える必要があると思う。」

健太は美咲の言葉にハッとした。
家庭の中で、具体的な教育方針や家族としての目標が曖昧だったことが、日々の行動や判断を難しくしているのではないかと感じた。
美咲もまた、「昇進すべきか」という個人の悩みを家族全体の目標に結びつけて考える重要性に気づいた。

課題:

①佐藤家の現状を踏まえ、家庭の**ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)**を策定してみましょう。
特に、教育方針や子どもにどんな経験を与えたいかを含めて考えること。

②策定したMVVをもとに、昇進の判断や家族旅行の計画をどのように進めるべきかを考えてみましょう。



今回のラーニングポイント


1. ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の重要性

方向性の明確化:
家庭におけるMVVの策定は、家族全員が同じ方向を向くための基盤となる。
意思決定の一貫性:
日々の選択や行動がMVVに基づくことで、迷いや葛藤が減少し、より効果的な意思決定が可能になる。

2. 家族間のコミュニケーションの大切さ

オープンな話し合い:
夫婦間で率直に気持ちや考えを共有することで、お互いの理解が深まり、問題解決がスムーズになる。
感情の共有:
個々の経験や感じていることを話し合うことで、相手の価値観や優先事項を理解できる。

3. ビジネスフレームワークの家庭への応用

経営戦略の手法を活用:
ミッション・ビジョン・バリューといったビジネスのフレームワークを家庭に取り入れることで、体系的な目標設定が可能になる。
実践的な学び:
家庭での応用を通じて、ビジネスシーンでも活用できるスキルや思考法が身につく。



後日談
〜佐藤家のMVVを形にするまで〜

子どもたちを寝かしつけた夜、佐藤夫婦は久しぶりに腰を据えて話し合う時間を取った。
美咲の昇進の話をきっかけに、家庭としての方向性を明確にする必要性を感じた二人は、家庭版「経営会議」を開くことにした。


リビングのテーブルにノートとペンを広げ、夫婦だけの会議が始まった。

健太:
「で、まず俺たちの家族がどんな家庭になりたいかを考えないといけないな。でもさ、正直、どこから話し始めればいいのかよくわからない。」

美咲:
「たしかに。会社みたいにミッション・ビジョン・バリューを考えるのがいいって思うけど、家庭のことって意外と曖昧なんだよね。でも、今のままじゃバラバラに動いている気がするし、一緒に考えたい。」

健太:
「よし、じゃあまずは『私たちが何を大事にしたいか』を書き出してみるか。」

美咲がペンを手に取り、二人でアイデアを出し合い始めた。

健太:
「俺にとって一番大事なのは、家族全員が健康で、笑って過ごせることかな。」

美咲:
「それ、いいね。私も子どもたちの笑顔が一番の優先事項だと思う。」


キーワード: 健康

健太には、数年前に過労で体調を崩した経験があった。そのとき、まだ小さかった長女が「パパ、元気になってね」と小さな手で額に冷えピタを貼ってくれた。その思い出が、「健康」の大切さを強く意識させていた。

健太:
「あのとき、健康を崩すと家族にどれだけ迷惑をかけるか実感したんだ。それ以来、家族全員が元気でいることが一番大事だと思う。」


キーワード: 笑顔

美咲にとって「笑顔」が特別な意味を持つのは、母親からの影響だった。忙しい中でも笑顔を絶やさない母親の姿が、美咲の理想像となっていた。

美咲:
「忙しいとつい笑顔を忘れてしまうけど、子どもたちが私たちの顔を見て安心できる家庭にしたい。だから、笑顔は絶対に大事。」


キーワード: 成長

美咲は、育休明けに職場で「前と変わらないね」と言われたことが引っかかっていた。それが「成長していない」と感じてしまい、以降「変わり続ける」ことを大切に思うようになった。

美咲:
「成長しないままでいるのが怖いんだよね。それは自分だけじゃなくて、家族みんなにとっても大事なことだと思う。」

健太:
「俺も同感だな。俺たちが成長する姿を見せることで、子どもたちも頑張ろうって思ってくれるかもしれない。」


キーワード: 支え合い

健太は、ある休日に美咲が体調を崩し、育児の大変さを実感したことで「支え合い」の重要性を感じていた。

健太:
「その日、全然うまくいかなかったんだよね。夜にはヘトヘトになって、『普段こんな大変なことをやってくれてるのか』って思ったよ。だから、普段から美咲のことをちゃんと支えなきゃいけない。」

美咲:
「それがわかってくれるだけで助かるよ。本当にありがとう。」



キーワード: 新しい経験(旅行)

家族で動物園に行ったとき、子どもたちが目を輝かせていた姿が印象的だった。それが「新しい経験」を大切にしたいという思いにつながった。

美咲:
「子どもたちにとって、こういう新しい経験がどれだけ大事かを感じたよね。旅行も同じで、いろんな場所を見て学ぶのは、教育の一環だと思う。」

健太:
「確かにな。俺も子どもの頃に家族旅行で行った場所を今でも覚えてる。だから、子どもたちにそんな経験をたくさんさせてあげたいな。」



キーワード: 尊重

長女が幼稚園で作った工作を見せてくれたとき、美咲が「後で見るね」と言ってしまったことがあった。そのときの長女の悲しそうな顔が、「尊重」の大切さを二人に気づかせた。

美咲:
「小さなことでも、子どもたちの思いをちゃんと聞いてあげるのが大事だなって思ったの。それが『尊重』に繋がると思う。」

健太:
「俺たち夫婦間でもそうだよな。お互いをもっと尊重して、意見を聞き合うことで、家庭の雰囲気が良くなると思う。」

約1時間半にわたる話し合いの末、二人は佐藤家のミッション・ビジョン・バリューを完成させた。

佐藤家のミッション・ビジョン・バリュー
ミッション:
家族全員が健康で笑顔あふれる生活を送りながら、個々が夢や目標を追いかけられる環境を作る。
ビジョン:
子どもたちが自信を持って挑戦できるような経験を与え、夫婦もお互いを支え合いながら成長を楽しむ家族でありたい。
バリュー:
尊重: 家族全員の意見を大切にする。
挑戦: 新しいことに挑戦する姿勢を大切にする。
時間: 家族全員が一緒にいる時間を優先する。

健太:
「なんか、これ作っただけでちょっと家族としての一体感が出た気がするな。」

美咲:
「うん、これからこれをベースにして、日々の決断をしていこう。私の昇進のことも、このミッションに沿って考えてみるよ。」

こうして佐藤家は、家庭のミッション・ビジョン・バリューを策定し、これを基盤に夫婦での意思決定を進めるようになった。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

まずは、夫婦二人が大事にしていきたいこと、もっと言えば、自分自身が大事にしていきたいことを再認識することが大事ですよね。

最初のとっかかりは難しいかもしれませんが、ぜひともご自宅でトライしてみてください。

この佐藤家の今後の行く末をお楽しみに。

それではまた次回。

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