人生、転職、やり直しゲーム 第1章
【遺体】
普段はぎゃあぎゃあうるさいのに、
死ぬと静かだな。
俺はどうしようかと思案した。
勘太郎の死体をどこかにやらなくては。
でも、今日はいろいろあってだるい。
明日は、鴨葱さんの引越しの手伝いをしなくてはならない。
俺は、勘太郎の死体を玄関に置きっぱなしにして、
万年床で寝た。
夜中、俺は1つ目の巨大な鬼に首を絞められて殺される夢をみた。
「人類皆兄弟。お前の命は皆の物。
皆がお前に死んでくれと言っている」
俺がどんなに暴れても逃げられなかった。
俺が死んだあと、
鬼は俺のしりの穴から頭までバーベキュー用の櫛を差し込んで、
狩猟ゲームの肉のように、
焚火の上でくるくると俺の体を回転させて
火をよく通して焼きやがった。
俺は、すでに死んだはずなのに熱い。
『上手に焼けましたぁ~』
大男から頭を食べられ、
頭蓋骨がバキバキ割れる音と、
最近動画サイトでよく見る、
不快で下品でお下劣な
くちゃくちゃ咀嚼音が耳の奥で重なって聞こえた。
絶叫したら自分の声に驚いて目が覚めた。
まだ3時だ。
俺は、目覚めたら汗だらけだったので、
シャワーを浴びた。
車のトランクにあった
ブルーシートと軍手を持ってきて、
貫太郎の顔を見ないように、
狭い玄関で死体を包み、
俺の車のトランクに入れた。
仕事の合間にどこかに捨てよう。
【引っ越し】に進む
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