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月1で現る白い敵【小学生をもつ保護者への宿題】

金曜、子どもの手提げ袋からチラッと見えた。
うちに来てほしくない白いかたまり。
避けられるものなら避けたい。
でも子どもに恥はかかせられない。
そして、「清潔さ」を形にして
学校に返さなければならないという
暗黙の圧力。。。

給食当番の白衣だ。

ネットに入れて洗濯。
洗濯機から出したら
さぁ始めようと
ため息交じりに気合を入れる。

まずは袋。
この苦行のウォーミングアップ。
うん、失敗しようがない。
きれいだ。

お次は帽子。
急にレベルが高くなる。
なんでベレー帽の形なんだ。
どこからどうアイロンを当てたらいいか
全くわからない。
左手で帽子の形を整えながら回し
右手でアイロンの先を使って
ちまちまちまちま
帽子の端に。
しわを伸ばしているのか
付けているのか。
ある程度帽子の形が整って
なんとなくしわが減っていたら
私が私に「もういいよ」と声をかける。
これは踏ん切りが要の種目である。

最後は大きな白衣本体だ。
普段シャツをアイロンする習慣がある方は
楽勝なのだろう。
しかし、あいにく私はそんな文化がない。
アイロン要らずの
洗濯して干したらしわが消える
魔法の服ばかりだ。
白衣のアイロンでは縫合をよく見て
シンプルにそれに沿ってアイロンを当てていく。
気を抜いたら知らぬ間に変なところに
自らしわを作ってしまうので集中力を発揮する。
カーブしているところは要注意。
首の近くのぺらんぺらんしている
これはなんなんだ。

かけ終わったら持ち上げて点検。
まぁ、これでいいだろう。
完了だ。

次もうちの子が使うなら
まだほんの少し気を抜いてできるかもしれない。
しかし「次は違う子が使うよ~」と
子どもからの無意識圧力。
一旦クラス写真でも見てみようか。
誰が使うかわからんが
次に使うのはこの中の誰かなんだな!?
じゃあ頑張ろう!!
てなわけで、月1の苦行をこなしている。

子どもが小学校に上がったとき、
保育園の送迎がなくなって
うひゃうひゃだった私。
その何倍もの雑務が待ち受けているとは。。。

アイロンは序の口な方だ。
でも一括して学校内で洗濯・アイロンしてくれる
地域系ボランティアさんとか現れないだろうか
なんて思ったり思わなかったり。
こうゆう地味に疲れる作業を失くしてくれるだけで
どれだけ救われるか。
しかし何も誰にも言えない今、
「公立校に通わせる保護者の責任」として
受け入れよう。
そのうち、子どもと一緒にすることで
白衣のアイロンを学びにしてやろうじゃないか。

そうこう考えている間に
ハンガーに干していた白衣が視野から消えた。
もう一人の子どもがおもちゃにしていた。
慌てて取り返す。
しわが、しわが、しわが、、、。

ふりだしに戻った。

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森ノ琴
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