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私の好きなことには、まだ名前がない

15分間、目を閉じてみた。
すべてのことから自分を解放して。
そんな昼過ぎ。

さっき淹れたコーヒーの香り。
少し強めの風が吹いて
木々が身を寄せ合う旋律。
近くの道を優しく運転する車。
遠くの方で聞こえる飛行機。
空から舞い降りる雪にも
音があるようで。

1回のブレスで味わう冬の味。
悴んだ手がふわっと和らぐ瞬間。
いつの間にか居た陽の光。
学校から解放された
地域の子どもたちの高揚感。
風と草花コラボの影ダンス。

これらの総称を何と言おう。
全部ひっくるめた
この空間を、この時間を
1つにできる言葉はない。

好きなことは何ですか?
趣味は何ですか?

読書、散歩、ドラマ鑑賞、、、

なるべく短い言葉で
伝えようとしてしまう。
この世には
文字数が限られているような気がして。
活字の中でも外でも。

だから1つにできない言葉の数々は
自分の奥に引っ込める。
ふとした瞬間に思い出すくらいの
かすかな存在にして。

対話するときくらい
時間を贅沢に使わないか?
自分に提案してみる。

異世界へ誘う本を読むこと、
ぶらぶら街を歩くこと、
胸が絞めつけられるドラマを観ること、、、

こうしてみると
自分の芯が見えてくるようで
視界がひらけてきた。

なんだ、
簡潔にしなくていいじゃないか。
この流れで冒頭の数々を発したら
なじむ気がする。
なんだ、
1つにまとめなくていいじゃないか。

コスパ、タイパ、スぺパ、、、
訊いてもいないのにどこからか
聞こえてくるコトバ。
そんなもので
自分を制限する必要なんてない。

さぁ
タコパでも始めようか?

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森ノ琴
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