自分から別れを切り出すということ
別れが苦手だ。
得意な人はいないと思うが、比較的エンパス度の高めな性質が災いし、自分と同じかそれ以上に人の痛みに敏感なことで、別れから逃げて自分をいじめる傾向がある。タチが悪い。
だが、今年に入って、生まれて初めて、ごまかしの無い別れを経験した。
縋る相手にハッキリと本当のことを伝えて理解してもらった上で別れた。
誰もが自分が人生の主役なはずなのに、自分の気持ちを一番近い人に伝えることになんの遠慮があろうか、と思うが、私のような感受性が強すぎる人間は、自分の人生にさえ意味のない遠慮をして生きている。
でもそれは耳障りが良い言葉を並べているだけで、本当は何もわかっていないだけだった。
人の痛みを自分では引き受けられないということを、よく知るべきだ。
痛みを与えることもまた痛みであって、人と繋がることも離れることも、痛みを分かち合うことに他ならない。
だけど幸せな一瞬があれば、それは人生が終わるまで、自分を助けてくれる。
一人で生きようが、誰かと共に生きようが、どういう心で生きるかは自分が決めることだ。
愛する誰かを大切にするということは愛する自分を大切にするということと同じことだ。それは一生続かなくてもいい。