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ポケットにLoop Engageを
今年買ってよかったものの一つ、Loop Engageを購入するまでの経緯と、実際に使ってみた感想を。
購入するまでの経緯が長いので、感想だけを読みたい人は目次から飛んでほしい。
購入するまでの経緯
私は聴覚過敏だと思う。
音の取捨選択ができないと言えばいいのだろうか、他人が気にならないような周りの環境音から、離れた場所から聞こえる会話ですら全部耳に入ってくる。別に聞き耳を立てているつもりはない。勝手に耳が拾っている。
いつから自覚するようになったのか正確には覚えてないけれど、12年前のツイートでは聴覚過敏について触れていた。それまでは神経質という言葉で片付けていたと思う。
別の病気に罹った時、耳鼻科と脳神経外科で検査をしたこともあるけれど、どちらも聴覚に異常はなかった。最終的には精神科を受診するべきとは頭で分かっていても、数か月先の初診を壁だと感じてしまう。
他人が気にならないような音の種類の中で、特に耳を塞いだり逃げ出したくなるような音がある。音嫌悪症という言葉はつい最近知った。
ミソフォニア(英:misophonia)は、「音嫌悪症」あるいは「音恐怖症」とも呼ばれる障害で、特定の音に対して強いネガティブな感情が現れる医学的な障害です。
聴覚過敏が、普段何気ない音が大きく聞こえる状態のことを指すのに対し、ミソフォニアは、特定の音がとても気になってしまう状態のことをいいます。
トリガーとなる音は、通常、日常的かつ反復的で、ミソフォニアを持たない人にはあまり気にならないような音です。例えば、咀嚼音、鼻すすり、咳払い、くしゃみ、タッピング音、呼吸音、いびき、あくび、ため息、口笛、鼻歌、爪を切る音、歯磨きの音、ささやき声、タイピング音、ペンをカチカチ鳴らす音、時計の秒針音などがトリガーになり得ます。一つのトリガーだけを持つ人もいれば、複数のトリガーを持つ人もいます。
ミソフォニアの当事者がこれらの音を聞くと、強烈な感情的な苦痛を引き起こす可能性があるため、多くの人はそうした特定の音に遭遇する可能性のある状況を極力避けようとします。
数年前に今の部署に異動になってから、特に音嫌悪症がひどくなったと感じる。
業務内容も環境も違う。古巣には戻れない。私生活で人と話すのは好きだけれど、仕事で人と関わる以上は解決できそうにもなく、衝動的な選択肢が浮かんでしまう。
精神的に追い詰められていた時期だったこともあり、何もせずに我慢することができなかった。
どれにする?
耳栓にも種類は色々あるけれど、仕事中に使うのなら目立たない物がよかった。
その中でも「Loopイヤープラグ」という耳栓は以前から知っていて、TwitterでLoop Quietのレポを読んだことがある。
QuietやExperienceなどいくつかあるシリーズで、装着したままでも自然な会話ができるEngageを選んだ。
クリアカラーなので装着していても目立ちにくく、私の場合は髪の毛で耳が隠れるので、耳を出さないと気付かれなさそう。
私生活で使うのなら、メタリックカラーが格好良いExperienceを選んでいた。
実際に使ってみた感想
職場ではLoop Engageを使っていると打ち明けておらず、来客や電話応対のたびに外すのが億劫なので、片耳は外している。
完全に音を遮断するわけではなくて、周りの雑音や全体的なボリュームを抑えてくれる。小さな音は聞こえない。
たしかに装着したままでも会話はできるけれど、唐突に話しかけられたり、相手との距離や声の大きさによっては上手く聞き取れないこともあった。
これは個人差かもしれないけれど、耳栓特有の自分の声がこもる感覚は多少ある。咄嗟に発した声の大きさが分からないことがあった。
正直、気になる音は聞こえる。ボールペンをカチカチと鳴らす音や、鼻水をずるずると啜る音、ヒールで貧乏ゆすりをして床を叩く音は消えない。
それでも耳栓に頼らなきゃいけないという自責の念よりも、耳が無防備にならない安心感の方が強かった。
この記事を書きながら今年買ってよかったもの2024をまとめているけれど、Loop Engageが一番よかったと言える。