【告知】折ることは、祈ることに似ている
「折る」を「祈る」と見間違えた。
文芸同人誌のシェア型本屋・招文堂が主催する、文芸フリーペーパー配布企画「いつもの文芸文庫3」の募集テーマのことだ。
公募企画に参加する人たちがどの段階から動くのか知らないけれど、私の場合は一次・二次創作問わず、テーマに沿った大筋の話を考えておくか、ある程度書き進めた状態で申し込むようにしている。
何も書けなかったらどうしようかと不安になってしまうし、あまり筆が早い方ではないので、これぐらい事前準備をする方が丁度いい。
今回のテーマは「折る」
骨を折る、話の腰を折る、花を手折る、折る、折る……最初に浮かんだのは、折り紙だった。
折り紙の国。その年の繁栄を左右する行事で、空に放たれる特別な折り紙。折り紙の折り手に選ばれた、貧しい主人公——断片的な映像や文章は頭に浮かぶけれど、どうにもしっくりこない。オチがまとまらない。
「折ることは、祈ることに似ている」
冒頭で触れたように、「折る」と「祈る」を見間違えたせいか、そんな刷り込みのような言葉が頭から離れなかった。
結局、折り紙を題材にした別の話がまとまったので、参加を申し込んだのが先月のこと。去年参加した「いつかの文芸文庫2」(テーマ「まる」)とは違う雰囲気の作品が完成した。
この作品を読んでくれた誰かの心を、明るく照らせればと思う。