読書ってやっぱり

最近になってようやく、読書が楽しいと思う自分が帰ってきて嬉しい。

果敢にも出版就活に挑み、まぁ予想通り才能もセンスも個性もないわたしは惨敗だった。惜しいところまで行ったものもありはしたけれど、どこまで進んでも結局落ちるならどこで落ちても一緒で無意味である。

こうしたエンタメ系の企業を受けていると、とにかくイレギュラーな質問ばかりが飛んでくる。
開口一番

「今日の気分は何色?理由も教えて」

なんてまだまだ序の口。

「これから流行ると思うものを教えてくれる?」
「何か私にオススメの趣味ってある?」
「このアニメの売り方上手いなっていう作品あった?」
「何徹できる?」(???)

30分ちょっとの面接でこんな調子のを28問出されたことがある。頭フル回転で、終わる頃には口角がピクついていた。どれだけ準備しても絶対に予想外の質問が出されるのでとにもかくにもアドリブ力だけは身についた。

そんなこんなで必死にやってはみたものの、先述したようにわたしにはまだまだ届かない儚い夢だったらしい。面接で日々こてんぱんにやられているのに、それでもマンガとアニメを観ている瞬間はその辛さを忘れることができたので、毎日貪るみたいに摂取していた。

だけれど、あんなに大好きだった小説だけはまったく読めなくなってしまった。ESに面接の準備に、とひたすらパソコンに向き合う生活では、活字を追う気力が1ミクロンも湧かなかった。いつか読もう、いつかね、と思いながら本棚の積読とほこりが溜まっていく一方だった。

なのに最近、本当に急に、なんか読める。そもそもエントリーできる企業も減ってきたし、曲がりなりにもとりあえず内定を取ったことで、生活と荒れに荒れたメンタルが少しずつ平穏を取り戻してきたからだと分析する。

読書復帰に際し最初に手に取ったのは、大好きな雨穴さんの小説「変な絵」。YouTubeで何度も繰り返し観て、ずっと謎の続きが気になってはいたのだが、単行本は私のようなじり貧大学生には少しばかり高いので、ずっと購入を躊躇していた。今回念願叶って手に取ることができたのは、就活で泣きまくり顔色と声色がゾンビと化していたわたしを見かねて母が買ってくれたからである(いったいなんの本……?という不思議そうな顔はしていた)。これが本当に面白く、こんなにやられた!!!!!と思ったミステリーは今までにないと断言できるくらい度肝を抜かれた。まさに一気読みであった。

これがきっかけでわたしの中の読書欲が長い長い冬眠を終え、じわじわと覚醒してきた。雨穴さんのもう1冊「変な家」にも手を出し、その後立て続けに斜線堂有紀さんの「恋に至る病」にハマり、同じく斜線堂さんの「夏の終わりに君が死ねば完璧だったから」を読み、今度は野崎まどさんの「タイタン」を読破、次の日には住野よるさんの「この気持ちもいつか忘れる」を手に取り……といった具合で、ほぼ2日に1冊のペースで積読を消化している。

ここまで書いてみたものの、皆さんにはなにがなんだか、という感じかもしれません。ほぼ日記ですから。
だけどやっぱり小説っていいなーと思うし、いいなーと思っている自分のこともちょっとだけ好きかもしれないです。

それと今日学校のベンチで本を読んでいたら、友人に「文学少女」と呼ばれました。悪い気はしなかった……。本を読んでいる時の姿勢が綺麗でいいねと褒められたので「そんなことないよ」と軽く笑って答えましたが、内心超にやにやしてたのはここだけの秘密。


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