ひよっこコピーライターが「サントリー 天然水の森」と仕事することになった話
「それでさ、この辺りにツキヨダケっていうキノコがあってさ、これがムキタケっていうおいしいキノコと似てるんだけど、食べたら、青い光がポツポツと浮かんでるような幻覚が見えたり、最悪の場合死んじゃったりするっていう毒キノコでさ・・・」
あ、しまった。
また始まった。
おじさんのこの手の話は、長くなる。
ちょっと待って。
生まれも育ちも東京のシティガールのわたしに、そんな専門用語ばかり、たたみかけないで!!
10分に1うんちくを挟んでくるせいで、打ち合わせが一向に進まない。
わたしは、このうんちくのせいで(おかげで)“「サントリー 天然水の森」公式”のnoteを書くことになりました。
わたし、うんちくおじさんと出会う。
冒頭で登場したうんちくおじさんは、わたしの森の師匠。
「サントリー 天然水の森」の活動を始めた山田健(やまだ たけし)さんです。
そう。
要は、なんだかえらい人。
わたしは、最近、えいやっと「コピーライター」になりまして、絶賛修行中です。
そんなわたしは、ひょんなことから、「サントリー 天然水の森」の公式サイトのリニューアルのコピーを書くことになりました。
そこで、なんだかえらいうんちくおじさんと、出会うことになったのです。
サントリー 天然水の森
「サントリー 天然水の森」ってなに?って思いますよね。
端的に言えば、2003年からサントリーが取り組んでいる、森づくりのことです。
2021年現在、日本全国21カ所、総面積12,000haを「サントリー 天然水の森」とし、“水と生命(いのち)の未来を守る” 活動をしています。
近年、環境問題が急速に取り沙汰され、あらゆる企業がこぞって「自然にやさしく」「サスティナブル」と謳っていて、
これ自体は、大変素敵なことだと思うのですが、正直どこまで本当なのか、ブランディング目的なのではないか、とつい斜に構えてしまいます。
なので、この仕事をはじめた当初は、この森を守る取り組みも、形式的なものだと思い込んでいました。
けれど、まったく違ったんです。
はじめてうんちくおじさんと話した日、わたしのその考えは、打ち砕かれました。
もう、すごい。すごいの。
各森の地層がどうだ、岩がどうだとか、樹のDNAがああだこうだ、山に優しい作業道がどうのこうの、ここにはあの鳥がいて、あれこれとか・・・
あらら?
このおじさん、詳しすぎない?
いくら、この取り組みをはじめた人だからとはいえ、普通えらい人って、こういうのは現場に任せきりで、あまり把握していないものなのでは?(偏見)
念のため、お伝えしておきますが、サントリーのいち社員。
ただの飲料メーカーではたらく、おじさんなはず。
それなのに、これだけの知識量になるのは、自らが森に入り、森と対話し、森を守っているからです。
長い長いうんちく話の中に、たしかに情熱があって、わたしはおじさんの本気に触れ、圧倒されました。
打ち合わせは、まったく前には進まない。
進行役の方は、終始苦笑い。
けれど、わたしはたのしんでしまっていました。
サントリーと天然水
なぜ、ここまでの情熱があるのか。
その答えはすぐに見つかりました。
サントリーにとって、森が育む天然水が生命線なのです。
サントリーがつくるビールもウイスキーも伊右衛門も、ほとんどすべてが天然水から作られています。
しかも、より商品にあった、おいしい天然水を求めすぎて、山奥の(奥の奥の)工場で生産したりしています。
(ここどうやって行くのってくらい、山の中。)
それくらい、サントリーのおいしさの決め手は、森からやってくる天然水に委ねられているのです。
仕事終わりのわたしを癒してくれる、プレモルがやたら輝かしく思えてきます。
でも、森からやってくる天然水ってどういうこと?
川の水ってこと?
そういえば、旅行に行った時、湧き水を飲んだな・・
それのことかな?
いろいろな疑問がわたしの頭をうずまいていました。
天然水の話は、また今度詳しくしたいのですが、どうやら、森の元気がないと天然水はできないらしい。
そして、この写真のように、元気のない森も少なくないのが現状で、このまま放っておけば、水が涸れてしまう可能性だってあるそうです。
だから、サントリー商品の、天然水の、おいしさをこの先もずっと残したい、とサントリーは本気なわけです。
「水に生かされている会社が、水を守る活動をするのはあたりまえだ。」
うんちくおじさんのたまーーに出る、名言。
これだけ森のことや水のことを知り尽くし、これだけのうんちく話ができるのは、おいしい水をいただいている人間の、自然に対する敬意なのだと思いました。
恋愛でも、営業でも、なんでも、相手とお近づきになりたいときは、相手を知ろうとするのと一緒。
うんちくおじさんのうんちくが嫌じゃないのは、この敬意がにじみ出ているからでしょうか。
「仲間になろうーーーー!」
この熱意を感じたのは、わたしだけではありませんでした。
専門家や、教授、山を仕切る村長なども同じ。
ものすごい熱量で、森を守ろうとするから、あらゆる分野でブイブイ言わせているすごい人たちが、「なにごとか!!」と集まってきて、仲間になっているのです。
まるで、かの有名な海賊船のように。
その仲間たちの知識と知見がかけ合わさって、今まで解明できていなかった、森が抱える問題を紐解いていく。
サントリー号は、ぐんぐん未来を見据えて進んでいく。
わたしは、この活動に、森に、うんちくおじさんに、どんどん魅了されていきました。
わたしと森
ただ、残念なことがあって。
それは、うんちくおじさんのうんちく話を、新公式サイトにほとんど掲載できなかったこと。
打ち合わせの9割を占める、うんちく話を、です。(もっと真面目な会議して)
うんちくおじさんの話って、本当にマニアックなんですよ。
だからサイトに載せるとなると、コンセプトがぶれちゃうな、と。
でも、このうんちくを、誰かに共有したくて、したくて。
だから、無理言って、noteを始めさせてもらいました。
このnoteは、一応 ”「サントリー 天然水の森」の公式” です。
けれど、わたしはサントリー社員ではありません。
だから、わたしが森に、あって、感じたことを、ありのままに、丹精込めて綴らせてもらう、と思います。
読んでくださるみなさんにも、サントリー号に乗って、ちょっとした発見のある旅になることを、願って。
月に2回、森に、あいにきてくれたら、わたしは嬉しいです。
気合入りすぎて、長くなってしまいました。
最後まで、読んでくださったあなた!
最高です。ありがとうございます。
よろしければ、わたしが関わらせてもらった、新サイトものぞいてください。