ジュクジュク
今日の私の担当はジュクジュクだった。
先輩から今日の私の担当がジュクジュクだと言われたとき、一瞬抗議の気持ちが起きた。
昨日はジクジクだったのに。
でも飲みこんだ。
新人が生意気なんて言えないのだ。
それにそんなことを言えば、私が出始めの頃なんか、グズグズやネバネバなんかが立て続けに来たもんよなんて言い返されるのは目に見えている。
結局私はそれに従った。
文句も言わず、ジュクジュクの元へ向かう。
でも、二日続けてというショックが、私の心にずっと残っていた。
ジュクジュクに対する心の構えができていなかった。
案の定私はジュクジュクと二人きりになってすぐに泣いてしまった。
そんなつもりなんてないのに。
でも我慢しようとしてもあとからあとから涙は出てくるし、えーんなんて声も出てくる。
するとジュクジュクは慌てて謝った。べつに悪いことなんてしていない。
それにこれは商売で、おまけにジュクジュクは客で、もちろん私は店員だ。
でも私は泣くことをやめなかった。
するとジュクジュクは今度ヤムチャをおごるからなんて約束もしてくれ、泣きながら私がうなづくと、そっと帰って行った。
ふん、よくやったもんね、なんて声が聞こえてきそうだったけど、私の心の中だけだった。
その日は何事もなく終わり、次の日の担当は、カサカサだった。
どういうつもりなんだろう。
ベトベトやグズグズは私では荷が重すぎるとの判断だろうか。
そう取られても仕方がない。
でもその仕事の終わり、外に出ると昨日のジュクジュクが待っていた。
私はジュクジュクにつれられ、聘珍樓に案内された。
エビチリ、シュウマイ、スープチャーハン。
目についたそんなものを頼みながら、私とジュクジュクはご飯を食べた。
ジュクジュクは何がしたいんだろう。
そもそもなんでご飯なんていかねばならないんだろう。
「君の先輩もね、こうやってたまにご飯に連れて行ったもんだよ」
去り際にジュクジュクはそう言って去って行った。
私の失敗はよくあることで、お店のみんなも、分かっていたのだ。
なんとなく、そんな風に感じた。
きてよかった。
このようにしてこの仕事というものに慣れていくらしい。