アフターコロナ時代の印刷業界の今後
コロナ時代で印刷業界にも大きな影響を受けています。
印刷業界に関わる身としてコロナの影響とアフターコロナ印刷業界の未来についてまとめてみました。
あくまで印刷関係に関わる一個人の所感もあるので全てが正しい情報ではありませんのでご了承ください。
印刷業界全般について
まず印刷業界と言ってもピンとこない人もいるのでざっくり構造をお伝えします。
印刷物ができるまで大きく分けて5つの会社が関わっています。
わかりやすくするため、チラシができるまでの工程でお伝えします。
1 製紙会社
チラシはご存知の通り紙でできています。その元となる紙(用紙)を製造している会社を製紙会社と言います。
2 製版会社
製版とは印刷物を印刷するための型(版)を作る会社です。簡単に言うと、紙に直接インクを吹き付けるのではなく、「版」にインキを付着させてから紙に転写します。
3 印刷会社
チラシの印刷を行う会社です。ざっくり言うと、製紙会社から仕入れた真っ白な紙を印刷してます。オーダーを受け印刷会社が製紙会社と製版会社に依頼し、仕入れた紙と版を用いて印刷を行います。ちなみにチラシは主にオフセット印刷という印刷方法で印刷されています。
4 加工会社
印刷したものを折ったり切ったりする仕上げる会社になります。商品として検品も行い出荷も行います。
5 広告代理店
チラシを作りたいエンドユーザー(企業や店舗)から注文を受け印刷会社に発注をします。
ざっくりですが印刷業界としてはこの5つの業種で成り立っています。
コロナ後の印刷業界の全体の雰囲気
結論から言うと、この8月30日の段階でどの会社も暇です。それもありえないくらい仕事量が減り、年中忙しくて有名な大手の印刷メーカーの営業担当が「暇だ。仕事なんかないか?」と発言してるほどです。
(9/24時点では徐々に回復傾向にあります)
印刷物の需要が大きい部分で言うと
・飲食店や美容院・アパレルなどの小売店舗
・展示会やイベントなどの配布用や物販
・会社などの販促用途
これらが外出自粛により使う機会がなくなりました。
外に出れない、人に会えないとなったら印刷物はけっこう打撃は大きいです。
アフターコロナの印刷業界を考える
じゃあ印刷業界はこのまま衰退していくのか?と考えた時に大きく2極化が進むだろうと思います。
アフターコロナを迎え、それでも伸びていくためのキーワードは
テクノロジー
付加価値
だと思います。印刷業界はまだまだ古い会社が多くITを活用していなかったりHPすら持っていない会社も多いです。(差別化が難しいのでHP作っても意味ないと思っている経営者も多いです)
アフターコロナでデジタルへのシフトチェンジが加速し、従来通りの印刷のあり方は変わると思いますし変わるべきだとも思います。
またラクスルなどのネットプリントが登場し価格競争が起きています。
例えばA4チラシを1,000部両面フルカラーで注文した場合、総額いくらかご存知でしょうか?
送料など全てコミコミで3,000円ぐらいで作れちゃうんです。
安すぎて逆に大丈夫?って心配になるレベルです。
印刷会社が生き残るためのアイデア
・高級志向へのアプローチ
アフターコロナで通販の需要が拡大しています。それに伴い商品を包むパッケージなどにこだわり付加価値を高めるニーズ
・エンドユーザーとの取引
印刷業界は代理店やデザイン会社が2~3社挟まっていることが常識です。最終的にエンドユーザーの手元に届くまでには価格がプラスオンされています。ECなど強化して直販を行う方法はニーズとしてありだと思います。
ただECなどの直販は、今までとの営業スタイルや受発注のノウハウがないので立ち上がらないというケースもよく耳にします。
まとめ
テクノロジーやインターネットからの集客を導入していない会社はこの先しんどくなるとは思います。
昔からのお得意様で成り立っている印刷会社も、コロナ禍でこの先どうなるかわかりません。
印刷物は家の中や街のいたるところにあり、気にしたことがない方が大半化かと思います。
なかなか実態が見えない業界でもあるので、このnoteをきっかけに印刷業界に少しでも興味を抱いていただけると幸いです。