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乱立する営業ダッシュボードに関する考察
何についての記事?
Tableauをはじめ優れたBIツールは労力をかけずにビジュアライゼーションができる。しかし、その操作が簡単であるが故に、見た目だけ綺麗だが使われないdashboardが乱立する。
ここでは、本当に使われるdashboardとは何なのか?を考察した(今後徐々にアップデートする予定だがその初版)。
dashboardはなぜ使われないのか?
dashboardが使われない理由は大きく3つあると思う。
その数値を見て何をするかが決まっていない
データの信頼性がない
単純に見にくい
理由1:数値を見て何をするかが決まっていない
ベストプラクティスは素晴らしい(特にSalesforce社、Tableau社のホワイトペーパーは読み応えがある)。が、それを自組織に当てはめたからといって使えるdashboardになるかは別物である。
Salesforceを導入したばかりの会社では「まずはSalesforceで使ってるdashboardを作ろう(てか誰か作って!)」となる。
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とても綺麗だ。コンテナ配置の機能美を感じる。でも、本当にこの情報が必要なのだろうか?そもそも、今あなたがいる営業組織において、何が今一番重要なKPIのだろうか。
dashboardにはたくさんvizが埋まっているとそれっぽい(何となく"分析"をしている感覚になる)のだが、そもそも多くの組織で同時にそんなに多くの数値を追いかける必要がなく「まずは何はともあれこの1つの指標を改善しようぜ」というケースが多いと感じる。
例えば、トップラインが伸び悩んでいる組織において、アポ獲得率が低いことがボトルネックである、ということがわかれば、まずは可視化すべきはこれだけでいいと思う。
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綺麗なdashboardを作っても、その後に何の数値を見てどう行動を変えるか、となったときに、そこまで一気に多くの施策を回せないならば、そのvizは何も生み出していない。
理由2:データの信頼性がない
見てる人によってデータの定義が違ったり、そもそもインプットされるデータの品質が低い場合は、どれだけ優れたdashboardを作っても無意味である。
例えば、営業の失注理由を分析するシーンでよく出くわす事例として、
データ型がテキストで分析困難(いちいちラベリングが必要
選択肢はあるが、解釈に揺れがある(営業Aと営業Bで入力ルールが微妙にずれている
選択肢が選びにくく、”その他”の選択肢が最も高い割合を占める
そのため、まずはdashboardを作る前にExcelででもなんでもいいから、定義や入力ルールを再確認しないと、結局手戻りして意味のないdashboardが出来上がってしまう。
理由3:単純に見にくい
視認性の高いvizは、単にdashboardのベストプラクティスを真似ても実現できない。確かにベストプラクティスを使えば、色合いやグラフの形状は洗練されるが、誰が何のために使うか、が決まってない中で複数のvizがあるdashboardは、結局は見にくくて使用率が低下する。
結論
簡単にvisualizationができるBIツールがあるからといって、安易にvisualizationに飛びつかない
事業の一番の課題は何なのか、をまずは定義する
そのためにデータの取り方を決める
その上で、誰が何のために使うvizなのか、を決めて、まずは最低限のものをviz化する