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サーチュイン遺伝子
私たちの祖先は、飢えと寒さという過酷な環境を生き抜く長い進化の過程の中で「生命力遺伝子」と呼ばれるサバイバル遺伝子を獲得してきた。それをサーチュイン遺伝子という。
この遺伝子は、人間が飢餓状態におかれたとき、人間の体内に存在している50兆の細胞の中にある遺伝子をすべてスキャンして、壊れたり傷ついたりしている遺伝子を修復して何とか生命を維持しようと活性化する。
ところで、17万年に及ぶ人類の歴史は、飢えと寒さとの戦いであって、人間が3食、満腹するまで食べられるようになったのは、せいぜい100年にも満たない、つい最近のことだ。
この急激な飽食状態に対して人類は無力であるばかりか、逆に今急激に体質の変革を迫られている。
戦後、すべての国民がみな、お腹いっぱい食べられる国を目指してきた中で登場したのが、「国民病」ともいわれる糖尿病だ。現代人の身体は満腹には対応できない。
糖尿病とは、あらゆる捕食器官が退化していく病気だ。失明する「糖尿病性網膜症」、足が先端から腐っていく「糖尿病性壊疽」
飽食の時代をどう生きれば良いのか。糖尿病をヒントに考えたい。