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夢が描けた時代の名作 黒澤明 素晴らしき日曜日

 黒澤明の1947年の小品であるが、なかなかの名作だ。

 敗戦直後の東京で、二人で35円(現在の3500円相当)しかない日曜日のデートを通して厳しい現実とそれでも夢に向かって生きようとする健気な二人を描いた名作。

 戦後復興時の日本が貧しいからこそ夢を描けた時代の物語。

 将来、二人で小さなベーカリーをやりたいという夢も微笑ましい。

 観客のいない野外音楽堂で映画を観ている観衆に自分たちに声援を呼びかける有名なシーンも実験的で圧巻である。

 そしてラストの駅のベンチに腰掛けて電車を待つ二人の顔に希望が見えるのが良い。救われる気がする。

 イケメンでも無い、美人でもない普通の二人の演技にホッとする。僕にとっては小品であるが素晴らしい映画だ。

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