あの子の日記 「もも色サンデー」
日本のどこかの、誰かの1日を切り取った短篇日記集
太陽におくれをとって目を覚ました。部屋のなかに広がる休日のしあわせを、朝ごはん代わりにして1日をはじめる。
ベッドの脇で抜け殻になった彼女におじぎをして、「きみは今日もがんばるねえ」とごあいさつ。ついでに畳んで重ねておくと、ただいまのハグがすこしだけ長くなる。
お布団の妖精から声がかかり、キラキラした魔法の粉をふりかけられると、瞬きをした間にふたたびベッドの上に戻っていた。
ぼふっと枕に顔をうずめ、気をつけの姿勢で一時停止。
彼女のシャンプーのにおいに包まれながら、日曜日の秘密をまたひとつ増やした。
朝と夜の連作です。夜はこちら「さくらんぼナイト」
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あたまのネジが何個か抜けちゃったので、ホームセンターで調達したいです。