
未来志向、学び、自己選択……。茨城での教育旅行の可能性は、無限大|森と未来の学校 関東近郊の小中高教員限定モニターツアー 2日目・意見交換会
茨城県の旅を通して、子どもたちの学び・体験のアップデート、茨城の社会問題を旅で解決することを目指す「森と未来の学校」。茨城や教育に関心のあるメンバーが集まり立ち上げた一般社団法人です。
「森と未来の学校」では、2023年2月11日(土)・12日(日)の2日間にかけて、茨城での教育旅行の可能性を知ってもらおうと、関東近郊の小中高の教員向けにモニターツアーを実施しました。
本記事では、モニターツアー2日目の最後に実施した、意見交換会の様子をレポートします。
茨城の教育旅行の可能性を考える、意見交換会
茨城の農業についてのお話から始まったモニターツアー2日目。自然体験や農園訪問など、茨城での教育旅行の可能性を知り、楽しんでいただきました。
最後は、1泊2日の体験を踏まえて、3グループに分かれて、意見交換会を実施。グループの代表から、思い思いの意見が発表されました。
未来について考える!パッケージ化しすぎない教育旅行
一つ目のグループからは、パッケージ化しすぎない教育旅行の提案がなされました。

教育旅行は、大人が旅先からその中身まで決めてしまっていることが多いのだそう。それは、おそらく効率を優先してしまっているから。ですが、子ども自身に、教育旅行について考えてもらうことで、無駄ではないかと思うところに、実は価値があるという意見が!
一方で、子どもたちに委ねてしまうと、大人の支援が必要な部分にかなりの負担がかかるとのこと。
つまり、大人が全てを決めるのではなく、子どもたちに教育旅行について考える機会を設けるといったように、そのバランスを保てるような、パッケージ化しすぎない教育旅行を提案したいと力強く語ってくださいました。

また、教育旅行の特徴として、過去のことを学ぶというコンテンツも多いのだそう。「○○を経験できて良かったね」で終わるのではなく、旅から戻ってきたときに、その経験を、日常生活の中に、落とし込めるような、そんな考える手段になってほしいともおっしゃっていました。

コンテンツの届け方と学びを加えた茨城の教育旅行
二つ目のグループからは、コンテンツの発信の仕方や茨城の教育旅行の魅力についての提案がありました。
1泊2日の体験を通して、どこも魅力的で面白かったとのこと。その一方で、魅力的であるということを、どのようにして第三者に届けていくのかを考える必要があるという意見をいただきました。プロモーションとしては、SNSでの発信が有効であるとの提案も。
また、1日目のつくばは、大学生や研究者も多く面白い人たちが集まっており、子どもたちとも感覚が近いのも大学生ということから、大学の研究室が教育旅行の場になるのも面白いのではないかといった提案が!
全体を通して、ただ見るだけでは、茨城の魅力が伝わりづらいとの意見も。一貫したテーマを持ち、そこに学びを加えることで、茨城の教育旅行がより面白くなると思うとおっしゃっていました。
教育旅行を自己決定・自己選択の場にする
三つ目のグループからは、教育旅行が子ども自ら決定や選択する場になってほしいという提案がありました。

1泊2日を通し、茨城には魅力的な人材がとても多い印象を受けたとのこと。茨城で教育旅行を実施する際、訪問前に、農園などのSNSを見て予習、さらには、オンラインで事前の顔合わせをしておくとより良いのではないかという意見が!
この点について、授業を実施する際も、興味関心を引くこと、事前の動機付けをとても大事にしているからなのだそう。
また、とても楽しいツアーだった一方で、スケジュールがつまっている印象も。自由な時間を入れるなど、どこかに余白があるツアーが良いのではといった意見をいただきました。
ツアーを選択制にすることで、子どもたち自らがテーマを選び、テーマごとに分かれて訪問することで、参加できなかったコースについては、後日、自分で行ってみようと感じるのではないかとおっしゃっていました。
学校や先生に寄り添い、オリジナルの教育旅行を提案・実施するのは、森と未来の学校
それぞれのグループから、未来を考える、学びを取り入れる、自分で選択するなど、非常に濃いご意見をいただくことができた最終日の意見交換会。全国的にも、茨城を教育旅行の場として選択することがあまりない中で、モニターツアーを通し、茨城の魅力を肌で感じていただけたのではないかと思います。
効率の良さを優先し、例年通りの教育旅行を実施する学校が多いとされています。それは、学校の現状やニーズにあっていないことも。森と未来の学校では、学校や先生ごとの熱い想いのもと、「何を学ぶのか」「どう考えたのか」を重視することで、子どもたちに多様な視点を持ってもらえる、そんな旅のコンテンツをこれからも提供していきます。
今回のモニターツアーは、そんなコンテンツのごく一部。これからも、オリジナルの旅を提案、実施していきます。森と未来の学校の今後の展開に、ぜひご期待ください!
取材・文 谷部文香