読書記録30『愛についてのデッサン』野呂邦暢 -再びの往来堂書店-
こんにちは、だるまです。
再び往来堂書店へ
銀杏が色づき始め、良い天気に誘われ、また行ってしまいました。
「どうせ本を買うなら、この本屋さんで買いたいなあ」と思わせるのはすごいことだと思います。
文庫本カバーもモグラで可愛らしい。
買った本
購入した本は『愛についてのデッサン』野呂邦暢です。
2021年8月に文庫化され、本屋さんで見かけて何となく目についた本です。
「文庫になることが奇跡の1冊」と帯に書かれていて気になりました。落ち着いた茶色の表紙も素敵で、何より舞台が古本屋さんです。
買う前に、まず図書館で借りて半分ほど読みました。
借りた本がカバンの中にありながら、往来堂書店を訪れました。
ここが往来堂書店の信頼のおけるところなのですが、(といっても来店は2回目なのですが、)比較的面積の限られた文庫棚の中に、あるかなと思った本がちゃんと1冊収まっているのです。
ちなみに、だるまの好きな『深夜特急』もシリーズが欠けることなく揃っていてにんまりしました。
素敵な店員さん
その一冊を手にとりレジへ。
レジを担当していたのが、Twitterでフォローしていた店員さんでした。
「カレーの方だ…!」と失礼な感激をしながら、少しだけお話させていただきました。(主にカレーの話しかできませんでしたが。)
カレーのツイートばかり注目していたので、『愛についてのデッサン』をおすすめするツイートは見逃していました。
「この本おすすめです」と言われ、同じ本ながらお墨付きがついた本を受け取り、ほくほくした気持ちで帰路につきました。
内容
ようやく内容に入ります。
半分は、表題作『愛についてのデッサン』で、古書店を継いだ26歳の佐古啓介が主人公です。
ミステリ風味のするちょっと不思議なストーリーと、随所に現れる古本屋業務が興味深いです。
『ビブリア古書堂の事件手帖』は、大きめの事件が起きストーリーが派手で面白いのですが、本書は波が穏やかで、透明な感じがします。
『ビブリア』は中学生のとき好きで全巻読みましたが、今は『愛についてのデッサン』のほうがしっくりきます。年齢の変化とともに読む本に対する期待が変わっているのだなと思いました。
もう半分は、増補された5つの短編です。それぞれ風合いは異なるのですが、不気味さが清流のように流れてきます。「隣人」が1番好きです。怖いですが。
おわりに
ほとんど往来堂書店の話で終わってしまいましたが、内容についてはぜひお手にとって確かめてみてください。
買った本でガッカリすることも多かったのですが、最近は買って良かった!が連発していて嬉しいです。
これからも本開拓、本屋さん開拓を進めていきます。
かしこ