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『IoTのわかりやすい事例:国交省、ワンコインセンサで浸水状況をリアルタイム表示』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.11.15

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■国交省、ワンコインセンサで浸水状況をリアルタイム表示

国土交通省が実用的な新システム「浸水センサ表示システム」を2024年11月14日から公開しました。このシステムは、小型で低コストな「ワンコイン浸水センサー」を使って、浸水状況をリアルタイムで地図上に表示します。

現在、162の自治体と45の企業が実証実験に参加しており、すでに実践的な活用が始まっています。上記の浸水センサ表示システムのWebサイトを開くと、今は栃木県宇都宮市で浸水被害が出ていることがわかります。(2024年11月15日 午前9時頃)

赤い丸が浸水発生地域。
地図を拡大すると、この粒度で浸水の発生場所がわかる

水害の発生状況がリアルタイムにわかる

これまでの水害対策には明確な限界がありました。ヘリコプターやドローンによる上空からの撮影は、大雨の際には実施できません。水が引いた後に泥の跡を調べる方法では、被害が起きている最中の状況を把握できませんでした。

ハザードマップも、過去の水害の記録だけを元に作られています。そのため、過去の記録が残っていないだけで実は危険な場所が、ハザードマップ上で安全に見えてしまう問題がありました。

新しいシステムは、小型センサーを多数設置することで、これらの問題を解決します。天候に関係なく24時間監視でき、今まで把握できなかった場所の危険も検知できます。

また、このセンサーでの記録をもとに、より正確にハザードマップが更新されたり、過去の記録としてのハザードマップではなく、未来の危険予測としてのハザードマップに進化する可能性もあります。

IoTの分かりやすい事例

「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」は、ちょっとした通信ができる小さいガジェット、くらいのイメージで、実際の用途がイメージしづらかったのですが、「これがIoTの実際の使い方だ」という、わかりやすい事例がやっと出てきました。この浸水センサーは、その実用性を明確に示す良い例です。

センサーが小型で安価なため、街のいたるところに設置できます。各センサーがインターネットを通じてデータを送り、地図上で浸水状況を確認できます。

水害以外でも役に立つIoTセンサー

小さなIoTセンサーを無数に設置して、通信ごしにリアルタイムにモニタリングするというIoTの活用方法は、水害対策以外でもいろいろ考えられます。

  • 地滑りの前兆を検知するセンサー

  • 橋やトンネルのひび割れを監視するセンサー

  • 街の大気汚染を測定するセンサー

  • 田畑の土壌の状態を確認するセンサー

  • 商店街や観光地の混雑状況を把握するセンサー

小型で安価なセンサーを多数設置することで、これまで見落としていた変化や異常を見つけ出せます。

自然災害が多い日本向き

日本では地震、台風、豪雨による被害が毎年のように発生します。このシステムは、特に高齢者の多い地域での避難判断や、人手の少ない地域での監視に役立ちます。

水害の発生をリアルタイムで確認できるこのシステムは、住民の避難判断を助け、行政の対応を早めることができます。大雨や台風自体はなくせませんが、川や田んぼの様子を直に見に行って流される被害、水がたまったアンダーパスで車を水没させる事故、土砂崩れに巻き込まれる人が減らせます。

センサーの設置数が増えれば増えるほど、より正確な状況把握が可能になりますが、ワンコインサイズなら民間施設でも設置の協力が得られやすいはずです。「先進テックで未来の生活はもっと良くなる!」をまさしく体現するものでもあり、毎年必ずどこかで水害が起きる日本では真っ先に普及してほしいものです。

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