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安売りはもう辞めます

こんにちは。花屋のMORIYA代表森です。

少し長いですが、読んでもらえると嬉しいです。

2006年の秋にテントでお花屋さんを開業してから15年が経ち、大学3回生だったあの頃と、MORIYAの仕事内容はもちろん、社会情勢や、それを取り巻く環境も大きく変わってきました。

日本中で大きな震災が相次ぎ、豪雨災害が頻繁に続くなと思っていたら、2020年からは新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、その都度、それらの困難に立ち向かいながら、MORIYAらしいお花をもって、世の中に笑顔を増やそうとお花たちと向き合ってきました。

どの業界の方々においても、それらの影響は大きいものであることは容易に想像がつきますが、お花業界においても、一時的に大きく消費が減退したことによって、お花の行き先や需要も大きく減少し、知り合いのお花屋さんの中にも廃業や、事業継承を断念する方も出てきました。

度重なる緊急事態宣言の発出によって、需給のバランスがその度に崩れ、海外からの輸送の関係によって今までお花の需要を支えていた海外産のお花の輸入が減少したこともあって、2021年のお花の相場は比較的高値を付け続けています。中国の人件費の高騰もあり、発送の箱やラッピング資材なども高騰、全国にお花を贈る配送業者の配送に関わる契約代金も元々の2倍まで上昇するなど、あらゆる経費が上昇し、日本社会全体に大きなインフレ圧力がかかっていることを強く実感しています。

多くが中小企業、個人事業主の花屋さんたちが一般的な会社として経営を持続していくには、【従来の方法ではなく、新たな方法を模索していかなければならない。】という今まで使い古されてきたけれども、中々実践されてこなかった課題に向き合う必要が出てきました。

MORIYAも同様に、創業以来、上質なお花をできるだけ購入しやすい金額で販売するために、ロス率を下げたり、ギフト需要に特化するなどの工夫をしてきましたが、高騰する資材原価、配送料、ギフト製作費などを金額に反映することを、【できるだけ買いやすく】という自分の言い訳にも思いで躊躇ってきました。

しかしながら、その【できるだけ買いやすく】という思いが、【コスパが良い】、【ボリューム重視で】という需要にも応えようとし、ここ数年はそのお花のデザインや質感と、ボリューム感重視という2つのポイントを行ったり来たりと言った、中途半端で無理な状態が続いていることに気づきました。

僕はお花は人の心を癒し、慰めてくれることもあるし、後ろから支え、見守り、後押しをしてくれる存在でもあると思っています。だからこそ、ここまでお花の仕事を続けてくることができたのだと思っていますし、今後もお花を中心に活動していきたいと考えています。

そのような思いを僕たちの中心に据えながら、お花の仕事を続けていくために、安易な安売りのような方法は採らず、自分たちが最上と思えるデザインや品質を、よりよい状態で表現し、お届けすることができる仕事内容にシフトしていきます。

僕たちMORIYAのデザインや、お花たちと人との関係性における可能性についての考えについて共感してくれる方たちに対して、最大限の誠の心を持って、お花たちと向き合い、お花たちと一緒に多くの方の笑顔の花を咲かせることができるように、自分たちの仕事のやり方や、活動方法を見直していきます。

安売りを辞めることによって、MORIYAにしかできない可能性を高め続ける集団でいられるように、花と人と、自分たちに向き合います。

ということで、今までやってきた仕事を一部減らすことになりますので、どなたかお仕事をお待ちしています。(笑)

冗談は一言だけにしておいて、僕たちの仕事の中心であるお花の贈り物については、コスパやボリューム感ではなく、お花の品質やデザイン重視、お花たちとの向き合い方や、考え方などを一緒に共有してもらえる方に喜んでもらえるようなフラワーギフトをご提案します。

また、3年前から始めたお花のパフォーマンスや、イベント装花、演出などのお仕事も新型コロナウイルス感染症の収束と共に、活動を活発化させていきたいと思っています。お花をもって、華をそえるお手伝いをさせていただける方は是非お声がけいただけますと幸いです。

創業から15年が経ち、創業10年では十分な振り返りができていなかったと感じさせられるぐらいの振り返りをすることができました。

例え、その時々の時勢や状況によってやり方が変わったとしても、自分たちの想いが曲がることなく、社会や人と関わり、その進んでいく方向性が少しでもポジティブな方へ進むお手伝いができるように、お花たちと共に、共感してくださる全ての人と共に、16年目の歩みを進めて参ります。

長々と今までの15年間の振り返りを書き記して参りました。
最後までお付き合いくださいました皆様、ありがとうございました。


今日も、明日以降も笑顔でいられますように。


MORIYA代表
森俊弥


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