森見登美彦氏とわたし【本当の出会い編】

わたしは学生時代に京都に住む年上の恋人からオススメされて読んだ「夜は短し、歩けよ乙女」により、森見毒の餌食となった。

借り物だった「夜は短し、歩けよ乙女」を読み終えたところで書店へ行き、自分用の「夜は短し、歩けよ乙女」と「四畳半神話大系」を購入した。

これでさらに強い森見毒に侵された。

森見毒とは恐ろしいもので、依存性が強いことで知られる。

タバコ、アルコールと並ぶ、依存性嗜好品。

ぐんぐんと読み進めていき、「四畳半王国見聞録」「有頂天家族」と次から次へと購入していった。

そして「ペンギンハイウェイ」を読んでいるときに、ふと感じ取ったのである。

(あれ、このキャラクター、どっかで見たことあるぞ)

記憶を一、二年ほどたどり、一つの結論に至ったわたしは、本棚の隅っこに挟まった薄い冊子を引きずりだした。

それは、わたしが「冬になって寒いし、入浴剤でも入れて熱々のお風呂にでも浸かろうかしら。おや、なんだかオモチロイ入浴剤が売っている。小説がオマケでついてるのか。バラや桃の香りとかガラじゃないし、森の香りでリラックス入浴タイムにしようそうしよう」とぶつぶつと独り言を垂れ流しながら大学裏のドラッグストアで購入した入浴剤のオマケ小説だった。
※丁寧にパッケージの表紙部分も切り取って保管していた。

その時、わたしは気が付いたのである。

「なんだ、ぼくはすでにモリミトミヒコのこと知ってんじゃん」

かくして、わたしは本当の「森見登美彦氏との出会い」を思い出したのである。

次回の「森見登美彦氏とわたし」は、【聖地に住む編】のスタートです。

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