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「本物が好き」と思っていたら、大切なものは別にあった
赤ちゃんあるあるなのかなとは思いつつ、うちの子は「本物志向」なんだと思ってました。
リモコンからPCまで!赤ちゃんの「本物」執着エピソード
まずは赤ちゃん期。テレビのリモコンに執着するので、リモコン型のおもちゃがハマるかなと思ったら、やはり求めるのは本物のリモコン。
つかまり立ちができるようになると、PCを開いているところに近寄ってきて触りたがるので、メルカリで小型キーボードのジャンク品を買ったのですが、やはり、それも割とすぐに飽きられてしまいました。
エレベーターにバス停まで!あふれる「ボタン押したい欲」
リモコンやPCに限らず、「ボタン」への熱もスゴイ。
ベビーカーに乗っているのに、エレベーターのボタンを押したがるわが子のために、腕をプロプル震えさせながらベビーカーごとちょっとだけ持ち上げ、車いす用のボタンを押させてあげることもしばしば(もちろん、ほかの利用者がいない時限定です)。
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バスに乗れば、ボタンを押すという「栄誉」を体験させてあげるべく、虎視眈々とタイミングをうかがわねばなりません。
自販機、インターホン、家電…世の中にはたくさんのボタンがあふれていて、押してみないと気が済まないんだよね。うん、知ってる。
「おもちゃで代用」の失敗と気付き
「本物だったら納得してくれるんでしょ!」と考え、メルカリでリモコンのジャンク品を探したり、バスの乗車ボタンのおもちゃの購入を検討したりしたこともあります。
けれども、検索画面を眺めているうちに頭によぎるのは「でも、結局こういうことじゃないって言われそうなんだよなぁ…」という親の勘(?)
絵本との出会いがくれた新しい視点
わが子の「ボタン押したい欲」をどう発散させてあげようかと考えをめぐらせていたころに出会ったのが、今回紹介する2冊でした。
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『じはんきくん』で広がる想像の世界
『じはんきくん』は、その名の通り、ジュースの自動販売機が主人公です。
お客さんである動物たちがやってくると、
「すきな のみもの どーれかな? なのなのな ボタンを ぽちん! と おしてみて」
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この「なのなのな」「ぽちん!」の響きがかわいくて、子どももニコニコで、絵本に描かれたボタンを押すマネをして楽しんでくれました。
最初は毎ページ、純粋に「自分が飲みたいもの」を押していたわが子。繰り返して読むうちに、物語に出てくる動物たちが買っていくものを記憶して、ボタンを押したりするようになりました。自分で選択したものを教えてくれる姿もかわいいなぁと思いましたが、「登場人物の立場になってみる」ということができるようになったのかな?という驚きもありました。
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『なんのボタン?』で楽しむ体験型読み聞かせ
もう一冊の『なんのボタン?』は、
クマさん家族の、ある1日を描いたもので、いろんなボタンがストーリーの中に登場してきます。
これもまた、登場するボタンをいっしょにポチっと押して、楽しむ「体験型」の絵本です。
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わが子は絵本をめくるたびに「下、下押すの~」「〇〇ジュースにする!」「こんにちは~」などと言いながらボタンを「押す」という行為を楽しんでいました。
「本物志向」とは
「本物志向」って
① ポチっと押す行為そのものをやってみたい
② 大人がやっていること・使っているものを自分も触りたい
ということなのかなと思ってきました。だからこそ、私はモノとしての「本物」を探そうと試みたりしたわけですが、
絵本では、①はありません。できるのは、押すマネだけです。
②について考えてみても、「大人がやっている/使っている」とは言えないわけで…
我が子が本当に求めているもの
これらのことから導きだしたのは、わが子が楽しんでいるのは、「パパ/ママといっしょにやる」という行為なのかも――という当たり前といえば当たり前の結論でした。
大変な時間も、かけがえのない思い出に
何かと急いでいると私がササッとボタンを押してしまいたくなりますが、「〇〇が押したかった~」とギャン泣きされてしまうので、時間と状況が許す限り体験させてあげてあげたいとは思っています。しかし、現実にはそれがなかなか難しいので、何とかその場で興味をそらしたり、諭したりしますが、まぁ、ひと段落する頃にはこちらがグッタリ(苦)。
でも、「この子が今、楽しんでいるのは(楽しもうとしているのは)私たちとの時間」と考えれば、その大変な時間へも愛おしさが生まれてきます。
と、思うことにしています。(=脳をだまそうとしても、感じる疲れはホンモノ)
今回紹介した絵本はこちらです👇🍹
『じはんきくん』
おおいじゅんこ 作・絵/教育画劇
『なんの ボタン?』
サタケシュンスケ 作/金の星社