絵本探しの灯台下暗し『でんでんどん』
紹介する絵本
『でんでんどん』
作/井上よう子 絵/渡辺有一、ひさかたチャイルド、品切れ中
心地よいリズムと寝かしつけの思い出
で始まる物語。
ページをめくるたびに、いろんな動物たちがのった「きしゃ」が
「でん でん どん」のリズムで登場します。
この「でん でん どん」が、
読んでいてなんとも心地よく、クセになります。
わが子が赤ちゃんだったころ、寝かしつけに苦労した日は、
抱っこしながらこの「でん でん どん」のリズムで
体を揺らしてみたりもしました
(注:それで寝てくれたかというとそうでもない)。
赤ちゃん期と1歳半での反応の変化
赤ちゃん時代は「でん でん どん」のリズムを楽しむ(だけ)
――という感じだったのが、
1歳半ごろになって、単語が少しずつ増え始め、
「何が描かれているのか」がわかるようになってくると、
ちょっと反応が変わります。
果物が大好きなわが子は、
いろんな食べ物が載った食糧車?のページに注意が向くようになりました。「ぶどう」「もも」「みかん」…
「あ! すきなくだものがある!」とでも言いたげに、
一生懸命指さししていて、こちらが読まなくても、
絵本を広げてこのページを眺めているだけでも楽しそうにしていました。
まだまだ「発見」の余地がある
この絵本は、視点がトンネルの出口に固定されているのですが、
最後の車両が去ったかと思いきや……
そのあとにちょっとした「オチ」があるのですが、
2歳半のわが子には、まだ理解できていない様子。
もうちょっと成長して、この「オチ」に気づくのはいつかなと、心待ちにしています。
赤ちゃん期を経て、2歳をすぎてもまだまだ楽しめる、
息のながーーーい絵本です。
購入したいのに、購入できない…
ちなみにこの本、図書館で借りてきて2回延長して、
それでも足りず夫に借りなおしてもらったりしたので
購入しようとしたのの、残念ながら「品切れ中」(=おそらく重版未定)。
中古では数千円というアメイジングな値段が付けられていました。
やむなくメルカリで探すも、正直に申し上げて「人気タイトル」とは
いいがたく、ドンピシャで出品されている方はおられず……。
まとめ売りで出品されている方にお願いして個別に売っていただき、
入手することができました。
意外な場所で発見!
そうやってようやく入手できた直後、
ぶらりと立ち寄った地元の街の書店の絵本コーナーの隅で、
この絵本を見つけた時の衝撃たるや……!
灯台下暗しとはまさにこのこと。
街の本屋のことを見直すいいきっかけになりました。
そんな「地力」を見せつけてくれた本屋さんも、先日閉店したとの知らせがあり、なおいっそう、センチメンタルな気分が増すのでした。
今回、紹介した絵本はこちら