コラム9: コミュニケーションコストの高い人間とは関わるな

人間関係の中には、意識しないうちに多大なエネルギーを消耗させる「コミュニケーションコスト」が潜んでいることがある。これは単に話し合いにかかる時間や労力だけでなく、相手との意思疎通で発生する「感情的なコスト」も含んでいる。

人との対話を通じて相手の意図がすぐに伝わり、話がスムーズに進む相手なら、ほとんどストレスを感じない。しかし、コミュニケーションコストが高い人と付き合うと、感情的な負担が増し、日々のエネルギーを消耗しがちになる。

コミュニケーションコストの高い人は、自己中心的で相手の話を聞き流す。こちらが何を伝えようとしているかに対してほとんど興味がなく、自分の話を優先しがちだ。こうした人は、たとえこちらが真剣に伝えた意見や感情であっても、それを受け入れず、適切なフィードバックも返さない。これにより、コミュニケーションの回数が無駄に増えるだけでなく、互いの認識のズレが生じやすくなる。結果的に、話し合いが進むどころか、誤解が増えて感情的な摩擦が生まれてしまうのだ。

さらに、被害者意識が強く、他者に責任転嫁しがちな人もコミュニケーションコストを押し上げる傾向がある。このような人は自分の非を認めず、ミスや問題を他人に押し付けるため、毎回の会話が自己防衛的な展開になりがちだ。こちらが何かを提案しても、ネガティブな反応ばかり返ってくるため、対話の意欲が削がれていく。こうした相手に対しては、相手を傷つけないよう配慮しながら話す必要があり、それが一層のストレス要因となる。

もちろん、誰もが多かれ少なかれコミュニケーションに苦労することはあるが、日常的に高いコストを伴う相手との関係は、時間だけでなく、精神的なリソースを浪費させる。そのため、個人の心身の健康や効率的な人間関係の維持を考えるなら、過度なコストがかかる相手とは距離を置くのも一つの手段だろう。

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