接客イップス
「ありがとうございました」
ある日突然、言えなくなってしまった。
レジで接客中、という場面限定で。
それ以外の場面ではすんなり出せるのに。
最初は自分でも訳がわからなかった。
正直、今でも理解できない。
いきさつ
いつも通りアルバイト先に出勤し、レジに入る。
その日最初に対応した客の前で、それは起こってしまった。
レシートを渡し、最後に「ありがとうございました」という一連の流れ。
最初の「あ」が出なかった。
「…ぁ゛っ……う゛ぁ゛…ぃがとうございました」
口から出たのは、こんな音だったと思う。
なぜ言えなくなってしまったのか。
客からクレームを受けたり、不安を抱えていたわけでもない。
お礼の言葉を返してくれる優しい客も多く、割と充実感もあった。
おまけに当日の体調は良かったほうだ。
余計に原因がわからない。
私は元から活舌が悪い。そのくせ早口。
歯並びもかなり乱れていて、おまけに舌が短い。
か行が行さ行た行ら行がとにかく言いにくい。
おまけにアレルギーが原因で痰が絡む絡む。
…まあ、言い訳ですね。
①「噛む or 不明瞭な発音」
↓
②「失敗した、うまくやらなきゃと焦る」
↓
③「身体がこわばり、さらに余計な力が入る」
↓
①に戻る
のループ。
就職活動の面接で緊張して上手くいかないのと、同じことが起こっているんでしょうね。
面接でも「失敗した」と感じたその瞬間から、とにかく取り繕うことに全力を注いでしまうので。
その後
残念ながら、これを書いている今日までこれは改善していない。当然ですね。
だから言えないままです。おしまい。
…という訳にはいかないので
「ぁーぃがとぅございましたぁ!」
と、今は勢いで誤魔化している。
「原因がわからない」と述べたくせに、こんなタイトル付けちゃうあたり本当はわかっているんでしょうね。
精神的なものが原因だと。
就活よりも、等身大の自分を受け入れることが先決なのかもしれない。