金曜、ひとの善意
同僚に「白いカボチャはいりますか」、と仕事が休みの日にわざわざ連絡があった。カボチャの馬車みたいだねと、急に彼氏みたくロマンチックに返事。その家の御母上がカボチャを栽培されているらしく、そう言えば去年は「間引いてないからおいしくないカボチャいりますか」と聞かれた。なんでわかっていながら間引かないのよと思いつつ、おいしくないのが逆に気になり、せっかくこしらえたものを粗末にもできないだろうと、要りますと答えると3つもいただいた。今年はなぜか白いカボチャに変わっていた。去年の経験を踏まえ種類を変えられたに違いない。いやそれより間引けばすむのでは…ちょっと考えてから、いただけるものはありがたくいただきますと伝える。もらう側なので文句は言えない。
夜はこども食堂の会議が友達の家で開かれ、1人晩酌の許可が出た。禁酒だったのに頭痛薬の味をしめ、あさイチで薬を飲んだからと自分に言い訳し、ビール片手に会議を聞いていた。話自体スムーズに進み、ところでと食材の寄付の話に移る。監査の知り合いが芋の寄付を申し出て三ツ星レストランで使われてる芋を子ども食堂にも使ってほしいと。
寄付の申し出はありがたい。特に3年お付き合いのあるその農家さんは、寄付の相談してくれるからまだありがたい。たいてい収穫時期に提供が重なるため、ありがたいけど保管もできないので断らなければならない。実は価値より時期が大事だったりする。
子ども向けの味付けではないけど、調味料を寄付して献立を指定してくる企業もある。指定されたものを使いどう子どもたちにおいしく食べてもらうか頭を悩ませたりもする。相手の善意のカタチは様々だ。もらう側なので文句は言えない。
かと思えば、この間ホンキな団体もいた。その団体さん調理も手伝い、仲間と作ったものを食べ子どもたちのリアルな反応も見て片付けまでして帰っていった。ワタシたちもそういう方が来ると、その団体のためにワタシたちも何かできることがないか考えさせられる。そんな奇特な団体さんはなかなかいない。
もらって終わりではなく、ホントは双方向的なやりとりをしながら長くお付き合いいただければこんなにありがたいことはない。善意はもらう側にも権利があって世間的に選んでもいいんだよとなればどれだけいいだろう。まだ選べない弱い立場だったりして、どちらにとっても本当に対等な関係を築ける日はいつ来るのだろうと3年やっててもまだこっそり思う。