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やっぱり経営者はサイコパス?
映画配給会社「有限会社アップリンク」創業者で代表の浅井隆氏が、元従業員からハラスメント行為により訴えられた。
ボクとしては、アップリンクが会社として配給している映画は、たくさん見させていただいた。
しかし、ボクは、浅井氏ご本人については、寺山修司「天井桟敷」舞台監督だった、という経歴や、WEB等に記載された記事は拝見しているが、ご本人にもあったことが無いので、ここでは実際にどうだったのか?という憶測などは控えよう。
ただ、大前提として、ハラスメントは、加害意識は無くとも、された側がどう感じたかの問題である。
アップリンクにおいても、雇用された従業員が、訴えるような事態になったということは、非常に残念だし、ハラスメントは、もちろん、ダメ!!絶対!!
そして、ボクが、昨年2回の転職活動と、約半年間、小さな看板屋での就業経験を経て思ったのは、
「やはり、経営者は、全員とは言わないが、大多数が、サイコパスなのだろうか?」
という、非常に残念な思いである。
もちろん、必ずしも「ハラスメントを起こす人間=サイコパス」ではない。
しかし、ハラスメントの問題が起こるということは、従業員や、弱い立場の者に対して、経営者としての権威を利用して、威圧的な態度や、性的な嫌がらせをしてしまうわけだ。
そして、もちろん、それでも会社の経営は上手くいくと思っているわけである。
当初は、その経営者となる人への、「人気」「人望」「立派な大志」「野心に対する憧れ」などで、多少威圧的な態度でも、多少マネジメントで無理をしても、人は文句も言わずに、ついてくるかもしれない。
もしかすると最初、その経営者が独立した当初は、一緒に仕事をしているのは、友人や、家族、もしくは、同じ立場であるフリーランスの「仲間」かもしれない。
しかし、法人、会社として、従業員を雇用する立場になったにもかかわらず、悪い意味で、この「仲間」意識に甘えている経営者が非常に多いのではないだろうか?
冗談じゃない。
以前、就業していた、我が家から自転車で15分の距離にある、大手ゼネコンの下請けで儲けている看板屋の一日の時間割について書いた。
そして、社長の気まぐれで、突然決まる出張についても書いた。
自分の仕事も終わったし、今日は、何も起こらなければ、定時過ぎには帰れるかもしれない!と期待している日に限って、定時の5時を少し回ったころ、暇そうな社長が、一人の従業員に猫なで声で、話を始める。。。
「そういえば、山田ちゃん(仮名)!!来週〇〇建設に送る、見積り表、ちょっと見ておこうかな!」
あちゃー!!今日も始まってしまった・・・。
それからが、地獄の時間である。
「おいよぉ!!山田ちゃん!!何で?これ、オレの見積りと全然金額合わないんだけど??」
山田さん(仮名)は、Excel上で計算している。
社長はプリントアウトした紙面上で、電卓で計算している。
計算が合わない。
「おい、鈴木くん(仮名)とムーニーくんもさぁ、山田ちゃんの計算、見てやってくれない?」
社長は、社内中を巻き込んでくる。社内の全員が、今は帰れない空気を感じてしまう。。。
鈴木さん:「山田さんのExcel表は、合っています!」
ボク:「そうですね・・・Excel表は間違っていませんね・・・」
(社長が間違ってんじゃねーか??ボケ!!)
「じゃあ、なんで違うんだよ!!」
絶対に自分が誤っていると認めない社長。
無駄にExcel表の見直しと、社長の電卓をたたく音が社内に響く。時間は無駄に1時間、2時間と過ぎていく・・・。
社長:「山田ぁ!!やっぱり、違うよ!!35万円!!どうなってんだよ!!」
社長の怒鳴り声が響く。
山田さん:「ええっ!!35万円も!?」
山田さんは焦って、かわいそうなくらい、パニックになっている。
社員全員、連帯責任のように残されていることも、山田さんのパニック状態に拍車をかけている。
山田さんは、Excelがそれほど得意ではない。
ボクは、以前の会社でずっとExcelで集計業務をやっていたのだ。
何度見直しても同じだ。Excel表に記載されている数字も、表計算も、何も間違っていない。
間違っているとすれば、社長だ!!
しかし、社長は電卓をたたくのを止めて、タバコに火をつけ、沈黙する。
Excelに自信のない山田さんは、必死にキーボードとマウスを叩く。
山田さんは、蚊の鳴くような声で、
「やっぱり、合ってますけどね・・・」
「じゃあ、なんで数字が合わねぇんだよ!これじゃ見積り出せねぇよ!!」社長は天に向かって煙を吐きながら、ただただ、苛立った声を上げる。
鈴木さんも、ボクも、Excel表を何度見直しても、間違っていないのだから、これ以上何も言えない。。。
また、無駄に、沈黙の時間が過ぎる。
約3時間が経ち、時計は8時を過ぎた頃、突然、社長は声を上げる。
「腹が減ったな!」
「出前とろう!!出前!!蕎麦!鈴木くん、電話して!!」
鈴木さん:「え?は、はいっ!!」
「たぬき蕎麦!!人数分!山田ちゃんのおごりだ!!山田ぁ!給料から天引きしとくからな!!」
鈴木さんは、言われるがままに、たぬき蕎麦を注文し始める。
ボクは、何とかしたいと思ったが、かすかな声を上げるのがやっとだった。。。
「ボク、家に晩ごはんがあるので、いらないです・・・」
「あ、そう。ムーニーくん、たぬき蕎麦要らないって!!」
山田さんは、うず高く積まれた、昔の紙面の資料なども見直し始める。
山田さんが、呻くようなこえを上げる。
「しゃ、社長、もしかして、前回の繰り越し分、35万円差っ引いて計算していませんか??」
(一同???????)
社長:「お?そうか?・・・そーだよ!!当ったり前だろ!!」
一同唖然。。。
夜9時、たぬき蕎麦の出前が届く。
ずずずずず、ずずずずず。。。。
社長:「山田ぁ!美味いか???」
山田さん:「美味いっす!!!涙」
こうして、サイコパス経営者と社畜労働者の関係が出来上がっていくわけである。。。