「新規事業研修の選び方:経験ゼロの講師では足りない理由」
イントロダクション
みなさんこんにちは、MOONSHOT WORKS株式会社の藤塚洋介です。
元プロバイクレーサーから新規事業開発のスペシャリストへと転身した経験から、今日は「研修・コーチ」の「あるある」な課題と、選ぶ基準についてお話しします。
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冒頭の話、これはプロスポーツの世界でも同じことが言えるんです。
例えば、理論的な知識だけを持っているコーチがいたとしても、彼らが選手としての実践経験がなければ、選手に具体的なアドバイスを与えるのは難しい。
実際、成功しているチームの多くは、理論と実践をバランスよく融合させたコーチの指導によって支えられています。
理論は「学ぶ」のが目的ではなく、「使って」事業開発に役立てないと意味がありませんよね。
それでは一緒になぜこのような問題が起きるのか?プロスポーツに学びながら対策について考えましょう。
なぜこのような問題が起こるのか?
統計で見る新規事業開発の現状
「人材の確保」や、「知識・ノウハウ不足」が、外部の知見者・経験者に頼らざるを得ない状況を生み出していそうですね。
そこで、「コーチ、研修講師、コンサルタントの選び方がわからない」
という問題が潜んでいるのです。
この問題の原因
1.専門家の分断
新規事業はゼロイチから販売拡大まで幾つもの連続したフェーズで繋がっています。
しかし、研修講師など、専門家の経験は「限定されたフェーズ」どれかであることが多いのです。
例えば、「戦略の専門家」「ゼロイチの専門家」「開発の専門家」「マーケティングの専門家」などです。
しかし、前後のフェーズを理解して進めないと以下のようなことが簡単におきるのです。
多くが「後のフェーズになって気づく」ので失敗してから「あの時ああしておけばよかった」と後悔するのですが「時すでに遅し」となるケースがほとんどです。
2.理論と実践のギャップ
3C,PEST,ビジネスモデルキャンバスなど、フレームワークは魅力的ですが、その通り通用しないことが多々あります。
時には複数ある選択肢から、どれを使うべきかわからなくなることもあるでしょう。
そのように、利用シーンにあったフレームワークを選べることは、重要なスキルなのです。
ですが、研修では個別のフレームワークの使い方に特化しているのがほとんどですよね。
プロスポーツの指導者
私はバイクレーサー時代、貴重な縁があって、監督として多くの実績のある人に、さらには世界選手権で一流選手のメカニックを経験していた人にアドバイスを受けていました。
意外にも、優れた指導者に共通していたのは、物凄い経験者なのに、誰でも手に入るマニュアルを使うことでした。
そして、基本の「型」を守りつつ、自分の「使いこなし方」を持っていることだったのです。
そして、現場におらず電話で相談していても、まるでその人がライダーとして今走ってきたかのような、臨場感のある具体的な指導が可能だったのです。
アドバイスを聞くと、現役選手である私より、この人の方が速く走れるのではないか?と思ってしまうほどです。
レースを引退し新規事業に没頭してから、教える側に求められるのは、同じ構造だと気づいたのです。
理論と実践の融合
サーキットでは、がむしゃらに走ってもタイムが縮まりません。
一つのコーナのスピードを上げすぎてその後の加速が遅れれば、スピードが落ちて全体のタイムが落ちてしまった、という経験はレーサーにとって「あるある」です。
どうやったら1周をいかに速く走るか全体を考えて走る必要があるのです。
そして、ゴールでは時に0.001秒の差が勝敗を分けます。
「0.001秒だけでもライバルより先にゴールしたい。」
そのために、走り方だけでなく、マシンの調整も専門家のアドバイスを受けていました。
エンジンの調整だけでなく、サーキットごとのライン取りや、ブレーキをかける位置、アクセルの開け方、エンジン、サスペンションのセッティングなど、アドバイスの範囲は数えたらキリがありません。
新規事業に当てはめると、業界やあなたの会社の制限、個別事情、トレンド技術や競合との差別化。
業界シェアは1位とそれ以外では大違いです。
マニュアルを基本にしつつ、講師やコーチに求めるのは、さまざまな環境の変数に合わせ指導してくれることがポイントなのです。
これには経験則が欠かせません、踏んできた”場数”が重要なのです。
個人の「強み」「弱み」を把握した指導
レーサーは普段から体を鍛え、何度も同じコースを走って、イメージ通り走れるように練習し”ベースの速さ”=「持ちタイム」を上げていきます。
新規事業に当てはめると、これはインタビューやプレゼン、仮説構築のスキルを上げることに通じるでしょう。
ですが、人によって「強み」や「弱み」は様々。
だれでも同じスキルを学べばいいわけではありません。
そして、自分では自分の「弱み」「強み」は中々気づきません。
実践して調整し、身についていく
それでも路面の荒れや、風、気温など日々変わるので、毎回同じセッティングは通用しません。
セッティングの「仮説」をコーチと作り、「走って検証」しコーチにフィードバックする。
何度も検証・調整しタイムを削っていく様子は新規事業における仮説検証そのものです。
当初は、監督やメカニックがいないと、それまでに学んだことと結びつかずに、同じようなセッティングの失敗をしていました。
すると、「前に教えたことを活かしていない。」と叱られたものです。
そうやって、調整のコツが少しずつ自分でも身につきます。
試合本番はさらに理論通りいかない
実際のレース本番では、40台以上のマシンが一度にスタートし少しでも前に行こうとポジションを争います。
ライバルたちは、イン側に「タイヤ一本分の隙間」があればマシンをねじ込んでくるので、時には3台も並んでコーナーを走る場合もありました。
そのような状況では通るラインは理想からはかけ離れています。
「実践では理論通り通り走れない」のが普通なのです。
レース中にアドバイスを受けられるわけがありませんので、選手が自分で、瞬間の判断をしていくしかありません。
新規事業も、突如ライバルが現れ、わずかな弱みを攻めてくるかもしれないし、大事な場面で急にプレゼンのチャンスが来るかもしれません。
どれだけ研修講師や、コーチ、コンサルタントに支援を受けても、最後は必ず”自分で判断し自走できる力”をつけておくのが必須なのです。
新規事業開発における「理論と実践の融合」の例
理論:ペルソナ分析、カスタマージャーニーマップ
実践:実際の顧客との対話、顧客の観察、フレームワークの修正
結局どのタイプを選ぶのか
ここまで読んで、結局どのタイプを選ぶのかイメージはできましたか?
「天才指導型」有名な「元〇〇」成功法則に自分が合わせる必要がある。
「個別指導型」知名度はないが経験者で一人一人に合った指導をする。
「理論優先型」理論や知識は素晴らしいが実践のギャップは埋められない。
もちろん3つ揃ってるのが最高ですが、見つからないかもしれません。
そしてもう一つ重要な軸があります。
文中にヒントが隠されていましたが、気づきましたか?
指導者ができればできるほど、頼ってしまい
「次何したらいいですか?」
「これであっていますか?」
と指導者がいないと何もできなくなってしまう方がいらっしゃいます。
そう、代わりにやってくれる「業務代行型」の反対側に位置する、”自走できるための指導を受けれらるか”を意識した「自走支援型」かどうかが重要なポイントなのです。
まとめ
いかがでしたか?
新規事業開発を成功させるのは、プロスポーツのように困難な挑戦と言えるでしょう。
しかし、適切なアプローチと支援があれば、必ず成功への道は開けます。
ぜひ、あなたの選択やあなたのアイデアをコメント欄で共有してください。一緒に、未来を創る旅に出かけましょう。
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