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市場と顧客と

競争環境を見極めるフレームワークである3Cについて考える時、不思議に思うことはありませんか?
何故Customerだけ市場と顧客の二つがあるのでしょう。
他の二つはそれぞれ自社と競合だけを表現しているのに、市場という大きな領域と顧客という絞った領域がまとめられるのでしょう。

いくつかの勝手な解釈で説明します。
まず一つ目は誤解をなくす為です。
本来市場も顧客も同一の存在で、自社の収益を上げる為に価値交換をする対象です。
粗く見れば市場、より細かく見れば顧客になります。
英語のCustomerに対して、日本語では市場はMarket、顧客はParchaserやEnd-Userなどの意味になってしまいます。
市場といえば全体感、顧客といえば個別の取引相手と絞られないようにする為に併記しているという考え方です。

二つ目はより細かく意識を向ける為です。
本来自社も自社事業と自社商品、競合も競合企業と競合商品のように分けて考えることができます。
分けることはできるのですが、マーケティングにおいて大事なのは顧客志向ですので、Customerのみを詳しく分けることで細かく考える先が明らかになります。

では市場と顧客をどのように意識し分けると良いでしょう。
似ていて違う二つは、的全体と得点枠、方向と着地点のようにどこかに線引きがあります。
それは線引きという言葉が説明してくれるようにセグメンテーションの粒度と段階によって変わります。
全体像から切り出す段階によって市場と顧客は分かれます。
全てのビジネスから参画する産業を切り出し、自社の関わっている事業領域まで細分化したものが市場です。
顧客は更にそこから細かくなります。
最大の範囲は市場を構成する買い手全てが顧客になりますが、必要に応じて細分化されていきます。
市場≧顧客、という不等式で表現されます。
3Cと表現されますが、CustomerのCは一つだけではありません。
マーケティングにおける最重要要素の一つなのですから、上辺の言葉に踊らされないようにしましょう。

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