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karaku
商品企画は並行複発酵
日本酒、美味しいですよね。
日本酒は世界的に珍しいお酒だということをご存知でしょうか。
氷温から常温、加熱された状態のどれでも楽しむことができ、しかも温度ごとに名前がついているという珍しさもそうですが、文化的な背景だけではなく醸造工程にも特徴があります。
一般的なお酒は酵母が糖を分解してアルコールと炭酸ガスを作ります。
ガスを添加しなくてもシュワシュワしているのはこの性質によるものです。
葡萄や蜂蜜には元々糖分が含まれていますから自然にアルコールになることがあります。
日本酒はこのアルコールを生成する工程に珍しい特徴が見られるのです。
並行複発酵。
日本酒の製法はそのように呼ばれます。
米の澱粉を麹カビが糖にする工程と、糖化した米を更に分解してアルコールにする工程が並行して行われるのです。
要は材料を作るプロセスと完成品を作るプロセスを同時作業として実施しているのです。
麦芽を糖化させる工程を終えてから発酵工程を行うビールのように順に行うのではなく、両方が同時に並行して行われるのが日本酒の神秘的なところなのです。
さて、この並行複発酵は商品企画とよく似ています。
商品企画は目の前の売上の為の短期的な施策を行わなければならない傍ら、その積み重ねを持って長期的にブランドを構築しなければなりません。
製品を生み出すことに専念し、その後にブランドを築くのではなく、追われる日々の業務が先々の未来を作るのです。
どちらか一方に専念できればと思うことも少なくありませんが、日本酒がそうであるように商品企画は並行複発酵してこそ真価を発揮するのです。
疲れた時には美味しい日本酒を飲めばスッキリすることでしょう。