上手いと、強いと
あの人は上手い。
あの人は強い。
武道においても他の競技においても表現されますが、イコールではありません。
もちろん上手くて強い人もいますが、上手いけどよく負ける人、強いけど上手いとは言えない人がいます。
上手いと強いの違いはなんでしょう。
そしてこの二つの違いは商品企画にも表れるのです。
上手いとは型が洗練されているということです。
術理を正しく理解していて実行できることであり、相手のわずかな隙を逃さずに己のペースに巻き込めることです。形だけ綺麗では上手いのに強くない人になりますし、臨機応変に型を超えることができれば上手くて強い人になります。
強い人には洗練されていることは求められません。
いかなる場合でも敗北しないこと、それが強さです。
型や手段に囚われず相手を圧倒できるのが強さで、それは基本のキしか習っていないとしても、勝てばよかろうなのだ、です。
だから強いけど上手くないということも成り立ちます。
さて、商品企画者にも上手い人と強い人がいます。
上手い人は型を使いこなし、強い人は相手を圧倒する、武道と同じです。
そして、上手くて強い人は型を使いこなして相手を圧倒します。
型を使いこなすというのは基本のフレームワークやフォーマットを使いこなして、理路整然とまとめ上げる力です。
誰もが自然と納得する論理構築を行う力です。
相手を圧倒するというのは理屈ではありません。
情熱や勢いによる説得力で、共感を生み出す力です。
論理が甘かったり、理論武装が弱くても突き抜ける力がある一方で、本人以外では振るえないのが型から外れた強さの課題です。
さて、あなたはどちらでしょう。
上手い商品企画者は熱量を込める強さを、強い商品企画者なら自分以外にも力を発揮させられるような論理性を意識すると、強くて上手い商品企画者になれることでしょう。