![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/110733924/rectangle_large_type_2_2ed8cd97db8bb01aeffb53d249c6e5ac.png?width=1200)
キャッチアップ•スリップストリーム
市場には四つの競争地位があります。
市場の最大シェアをもつリーダー、リーダーの座を狙うチャレンジャー、上位者の切り開いた道を追いかけるフォロワー、そして独自の路線を進むニッチャーです。
市場が拡大していく中で開発投資よりも規模の経済性を重視した成長を遂げた中小企業はフォロワーとして市場地位を獲得しますが、価格が安いからという理由でのし上がった結果、低価格の壁を越えられず伸び悩みます。
成長期から成熟期になるにつれて事業の苦戦を感じ始めるフォロワー企業は少ない技術力を使ってリーダーに挑むことを考え始めます。
この発想を笑ってはいけません。
フォロワーにとって他のフォロワーは目に映らないのですから、目指すはリーダーただ一社です。
フォロワーはフォロースピードを引き上げて、先行者のアーリーアダプターを目指し始めます。
先行者の後ろにピタッと張り付くキャッチアップ戦術はレースのスリップストリームのように加速を助けます。
時には周りのフォロワーに一歩先んじて優越感に浸れるかもしれません。
しかしそれも長くは続きません。
高速キャッチアップを目指したフォロワーは自らの地位を高める新たな武器を手にしなければいつまでもフォロワーです。
スリップストリームを許さないリーダーに揺さぶりをかけられて事故に遭ってしまうかもしれません。
キャッチアップを戦術と表現したのはそれだけでは次がないからです。
スリップストリームは先行者を風除けに使うことで力を温存して、土壇場で抜き去る戦略です。
確実に2位を取るような後ろ向きなものではありません。
キャッチアップで効率よく進む隙に次の手を生み出してこそ戦略と言えるのです。
コモディティ化したものを拾い続けるフォロワーは生きていけない世の中になりました。
フォロワーから抜ける為には様々な足掻き方が必要になります。
より前にいる相手を狙ってキャッチアップするのは悪い手段ではありませんが、抜き去る為の秘策を持たなければいつまでもフォロワー気質から抜け出すことはできないのです。