見下ろせば戦略
前略と言う言葉をよく耳にします。
経営戦略、事業戦略、商品戦略、価格戦略…
どんな活動でも戦略とつけるだけで賢く立派に見えてきます。
戦略とは合意された方針であると言う表現もありますが、ではその通りに活動できるものでしょうか。
合議で進めれば戦略になる、そう言われても信じることはできないでしょう。
ではどうすれば活動に戦略を付与することができるでしょう。
最も簡単な活動の戦略化は一つ上の段から見下ろす事です。
階層化されたフォルダを一つ上がるように、見える範囲を一段階だけ広げるのです。
その時に役立つのがマーケティングのフレームワークです。
例えば値下げです。
値下げというと安易な活動に思えますが、価格戦略と言い換えると立派に聞こえます。
本当に立派な中身にするには一段階フォルダを上げます。
価格=PRICEを含むフレームワークといえば4Pです。
値下げの目的と狙う効果を商品、販路、販促の観点に広げればただの短期的な売り上げ以外の意味付けが見えてきます。
価格を下げて商品の適正価格を測ったり、特定の販路に対する親和性を高めたり、普及量を増やして認知を高めたりといった狙いが出てきます。
商品企画を商品戦略にするならSTPで立ち位置を見ると良いでしょうし、ポジショニングの検討は3Cで考えれば事業戦略になります。
マーケティング戦略は大きな経営戦略の視点から徐々に絞り込んでいくものですが、環境によっては現場の活動から始まることもあります。
常に広いところから始めるべきだと一律で考えると全ての活動は遅れ遅れになってしまいます。
かと言って現場都合だけで場当たり的に動くのも負荷の割には成果が出にくくなります。
素早く動けて広くみられる、そんな適度なバランスを取るには一段階上げて考えるのが最適です。
いつもの街を高台から見下ろすと違って見えるように、視点を少し変えてみましょう。