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コンセプトによる差別化
商品企画はターゲット顧客と、顧客に対して提供する価値と、それらを一言に束ねたコンセプトによって成り立ちます。
同じカテゴリー、同じような機能であってもコンセプトが異なると別の商品として映る為、顧客も購入動機も変わってきます。
この微妙な差異によってコモディティ化した市場の中でも健全な競争が行われ、各社が鎬を削るのです。
一方でコモディティ化したが為に、商品企画の流れが変わる場合があります。
製品は既に決まっていて、それをどのように売り出すかを主眼に置いた商品企画です。
世界の流通がまだ弱かった頃は既製品と言ってもあるエリアでは殆どの人が知らない製品でした。
ナタデココやティラミスのような食品がその好例です。
物流も情報流も充分すぎる昨今ではそんな珍しいものも減り、殆ど同じものからスタートすることも珍しくなくなりました。
製品が同じなのだから変えようがない、その考えでは商品企画はできません。
では顧客を変えてコンセプトワードを変えて
使い方やシーンの提案をしたらどうでしょう。
どこか商品企画らしい思考になってきます。
ここで気をつけなければならないのは、コンセプトの差別化は顧客には伝わらないということです。
コンセプトは商品の根幹に流れている企画の主軸なのだから、伝わって当然、そう思う方は考えてみてください。
身の回りにある商品、特に差別化された特徴的な商品を見て、そのコンセプトを想像することができるでしょうか。
発信されたコンセプトワードを聞けばそこに共感できるようになるかもしれませんが、コンセプトワードとして発信されたものはコンセプトではなくプロモーションによるメッセージです。
正確に表現するなら、コンセプトは見えません、コンセプトに基づいて変化したマーケティングの4Pが顧客の目や耳に触れるようになるのです。
同じような製品だけどコンセプトを変えているから別物だと主張しても、買い手や売り手は元より、社内の関係部署の納得すら得られないかもしれません。
コンセプトが変わるならそれに引っ張られて何かが変わります。
使い方なら製品、顧客なら販路と価格、そしてそれらを伝える手段であるプロモーション。
それらが変わるからこそ違いが表出するのです。
違いはごく僅かなものかもしれません。
訴求の順番を変えるとか、特定の販路の顧客のみに刺さりやすい言葉を使うとか、カロリーよりもアミノ酸スコアを強調して書くとか、それでもその積み重ねがコンセプトの違いを体現するのです。
コンセプトは内的なもの、表出するのは4P、4Pまで変えてようやく商品企画になるのです。