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一網打尽の商品企画書

商品企画書と呼ばれるものはメーカーであればどの会社にもあります。
書式や内容は異なっても、企画を伝える為の手段として存在します。

その商品企画書は誰の為にあるのか?

誰に向けた商品企画書かで中身は大きく変わってきます。
部署内でアイデアを通す為のもの、他部署を動かすきっかけに使うもの、経営層の承認を得る為のもの、取引先に売り込む為のもの。
求められる状況によって最適な内容は少しずつ変わってきますが、その都度調整していては手間がかかって仕方がありません。
一網打尽にできる方法はないものでしょうか。

商品は何の為にあるか?
その答えが一網打尽のヒントになります。

商品とは顧客に価値を提供して対価を得る為の手段です。
価値を提供するものであり、対価を得る為のもの、つまり売上を作る為にあります。
売上を作るのに最も近い人に向けることが効率の最大化を図る方法です。

売上を作るのは社内の人間ではありません。
対価を支払ってくれる人なので、BtoCやBtoBであれば取引先です。
DtoCのビジネスもありますが、直接販売をする場合は企画書ではなく商品自体が雄弁に語るべきなので省きます。
対価によって売上を作る当事者である取引先が納得する内容、これが最も効果の高い商品企画書なのです。

商品企画書には必ず3Cの要素が必要になります。
社内向けの資料であれば自社の話や競合の話が前に出がちで、社内特性が色濃く反映されますが、外部の納得感を得るには聞き手の気持ちに調整しなければなりません。
自社、競合、市場•顧客の三要素を用いて、どう語るべきかを組み立てます。
当然自社の話は後回しになります。
競合から入ろうとしても、自社の競合は取引先のパートナーかもしれませんから、下げてかかるのはリスクです。
取引先にとっての競合の話は有効かもしれませんが、相手に応じて中身を変えなければなりませんので一網打尽とはいきません。
取引先も売上を作りたいのですから、推すべきは市場•顧客です。

市場•顧客のありのままを伝えてもただの事実であって提案にはなりませんから、市場•顧客の未充足をビジネスチャンスとして示すのが重要です。
市場•顧客の話をしてすぐに自社の話を持ち出すと、如何にも売り込みたい気持ちが強く見えますので客観的に捉えてもらう必要があります。
その為には競合の存在を示した上で尚未充足であることを示します。
その結果、自社の提案があるという形を作るととてもスムーズです。

市場•顧客は未充足な課題を抱えているが、競合では解決できていないので自社が解決手段を提供する。

とてもシンプルですが、誰に伝える時でもすっきり整理されています。
その後に4Pを繋げればその中身の立て付け次第で内部向けか外部向けかを切り分けることができることでしょう。

商品企画はアイデアを出すだけでは終わりません。
具体化し、ストーリーを作り、売上に貢献しなければいけません。
企てるからにはゴールを描くのは当然のことです。
一網打尽であること、それは実は商品企画の基本なのです。

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