集中の極意
集中力はありますか?
何かに集中したいのに、余計な音が気になったり、視界の外で動いているものに目がいってしまったり、どうしても気が散ってしまうことは誰にでもあります。
騒がしい中で集中するにはどうしたらいいでしょうか。
それには2つの方法があります。
極一点にのみ意識を向ける集中法と、全てに意識を向ける拡散法です。
これは私が勝手に名付けているのですが、脳科学的にも類似の考えがあるようです。
学問ではなく実践として記載しますので、脳科学の詳しい話は別途お調べください。
一点に意識を向ける集中法、そんなものができるなら元々集中力がないとは言えない、そう思うかもしれません。
これは本を読むことに集中したり、考え事に集中したりするのではなく、周りの騒音を意識から取り除く為の方法です。
カクテルパーティー効果という言葉をご存知でしょうか。
騒がしいパーティー会場の様々な声の中からでも会話中の相手の声を選択的に選び取れるという脳の機能で、ある種の集中力でもあります。
居酒屋で連れ合いと話ができる人なら誰でも持っている能力です。
この選択的に聞き取る音の対象を「存在しない音」にしたらどうなるでしょう。
電車の中で僅かに聞こえる声に集中しようとすると、他の音が気にならなくなるように、より小さい音、小さい音と意識を向けていく事で、存在しない音以外の音が気にならないようになることでしょう。
本を読むなら文章が生み出す音、勉強をするなら数式の織りなすメロディー、そんな存在しない音を聞く為に耳の意識を向けることで、他の音に向かう意識が薄れてきます。
次に全てに意識を向ける拡散法です。
集中法が存在しない音に耳を傾けるのに対して、周辺の全ての音をまとめて聞こうとするのです。
人の声、食器の音、足音、電車の通過音、一つ一つにラベルを貼って分けていくのではなく、全てを同時にそのまま聞こうとするのです。
最初は右と左の人の声を同時に聞こうとします。次に別の人の声も聞こうとします。次々と聞く対象を増やしていくと、言葉の意味や音の意味が分からなくなってきます。
ラベルを貼って意味を持たせるから意識があちこちに引っ張られるのですから、意味を持たせないようにどんどん拡散していくといいのです。
全てを聞こうとして、全てに意味を持たせなくなった時、全ての雑音が気にならなくなります。
全てを消し去るか、全てを塗りつぶすか、アプローチは違っても得られる結果は同じ、周囲に乱されない集中力です。
問題は、その集中力を何に使うか、ではないでしょうか。