あるべきないもの探し
「あるべきないもの」
何だか混乱しそうな言葉です。
場違いな工芸品や禁忌とされる物を想像してしまいそうです。
世の中を快適にする為に本来は既にあるべきなのにまだないもの、と言うと理解しやすいかと思います。
ニーズを捉えた商品ということです。
それを考えて見つけ出すのが商品企画という仕事の醍醐味です。
ないものを探すのは難しいものです。
白いカラスがいないことを証明する、いわゆる悪魔の証明に近い取り組みのようです。
才能に恵まれたものの閃きでしか手に入らないような印象すらあります。
ところがこれは簡単なロジックで見つけ出すことができるのです。
ないものを見つけるのは難しいです。
なぜならないのですから。
一方であるものばかりを見ていてはそちらに意識が引っ張られすぎる…そう考えてしまうと思考のバイアスに囚われてしまいます。
「あるもの」を全て書き上げれば、そこにないのが「ないもの」です。
全て書き上げるなど到底できないと考えるあなたは相当の脳筋です。
確率計算を場合分けで乗り越えてきたタイプかもしれませんね。
マーケッターにはセグメンテーションという技があるのですから有効活用すれば良いのです。
セグメンテーションはある属性と別の属性の掛け合わせで分類する手法です。
年齢×地域、世帯人数×居住様式、世帯年収×最寄り駅からの徒歩時間、何でも構いません。
属性や特性で切り分けた中に既存の商品•サービスを当てはめていけば「ないもの」が見えてきます。
全くないこともあれば、あるけど届いていない場合もあります。
あとは商品がそのセグメントに対してあるべきものなのか、もしくはそのセグメントに対してあるべき商品やサービスは何かを考えるだけです。
あるべきないものを探す、難しそうに見えて簡単そうに見えてきます。
あれ?商品企画って簡単な仕事なんじゃありませんか?