機能比較は事実の羅列
マーケティング活動には必ず競合が登場します。
どんなに画期的な製品•サービスであっても、既存の類似手段が何かしらあるからです。
代替手段がどんなに原始的なものであっても、新しい製品•サービスに万人が飛びつかない限りは競合として認識して比較をする必要があります。
自社と競合を比較する時には比較表が用いられます。
構成する機能を項目として列挙し、それぞれの特徴を書き上げていくことで差異を捉えます。
自社の提供物の優れている点と競合の優れている点を比べて、優劣を示したり、自社が勝る条件を確認したりします。
比較表を作り、中身を考える際には3つの注意点があります。
勿論この3つは3つのCと関連してきます。
①自社の都合で項目を作らない
比較表に必要なのは事実です。
寸法の実数値や内容量、付帯物の有無のように客観的に捉えられるもので構成しなければなりません。
デザインが良い、使いやすいと言った曖昧な表現は避けなければなりません。
自社の製品をよく見せるためだけに項目を抽出しても、知っている人が見れば穴が丸見えの、信頼性の低いものになってしまいます。
自己都合だけで項目を選ばないようにしましょう。
②競合を侮らない
比較表を作った上で自社の方が優れていると示したいのは当然ですが、その為に競合を貶めたり侮るようなことがあってはいけません。
競合の強みを把握した上で、事実が見比べられるようにしましょう。
③顧客視点を忘れない
当然ですが比較して優れているという情報は、顧客にとって魅力的であることとイコールでなくてはなりません。
比較項目と内容は事実を元に記載されなければいけませんが、事実にどんな意味を持たせるかが重要です。
25個入りのお菓子と24個入りのお菓子はどちらが魅力的でしょうか。
数字だけ見れば数の多い方が良いかもしれませんが、「みんなでシェアしやすい24個」と書き添えると約数の多い24の方が特別な意味を持つように見えます。
逆に家電製品の電源コード10cmや据え置きで使う棚の重量100gの差は顧客にとって何の意味もありません。
このようにただ比べるだけに思える比較表もマーケティング的な発想があるかどうかで単純作業から知的労働に大きく姿を変えるのです。
機能を比較するには事実の羅列が必須です。
一方で羅列された事実をどのように解釈するかはマーケターの腕の見せ所となります。