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多様性とMECE

多様性が尊ばれています。
誰も理不尽な差別を受けるべきではないという人道的な観点だけでなく、背景の異なる多様な人材を抱える組織の成長は均質化された組織よりも速いという経済的な理由もあるそうです。
確かに画一化した組織は特定条件下では素早い意思決定と行動ができますが、変化に対する知見が限られてしまいます。

多様化した組織は強い、それを認めてしまうと少人数の組織は大人数の組織に劣るということになってしまいます。
2種類の属性で構成された組織よりも3種類、さらには数百種類の属性が内包された組織の方がより多様化されていて強い組織であるということになりますが、実態はどちらが優位ということはありません。

多様化していなくても強くいられること、そのポイントはMECEであることです。
多様であることのその上、全体を内包しているのが漏れがないということです。
特定少数を押そうとする時、MECEではなく偏りが生じます。
多様化しようとして少数派に傾倒してしまえば正しい判断ができなくなります。
全体を捉えて、どんな軸で切り分けていくかがMECEに考える前提です。

特定の嗜好を多様性の旗印にすることは多様化ではありません。
多数派を蔑ろにして少数派の権利を強めるのは多様化ではありません。
全体から見た上で切り分けていかなければ、それは主観的な思い込みと何ら変わりありませんし、商品企画のアプローチではなくなってしまうのです。

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