トラウマ液を作りたい、と気付く
とある漫画家さんの作品で命を救われた。
ああ、生きなきゃ、という気にさせられたのだ。
元々、今の自分と違う視点、思想、生き方をしている人の力がいると考えて、それまで読まなかったような漫画に手を出した。
病院の待合室にたまたまあったある本の3巻。第一印象は、うわーとげんなりした中で、孤独の描き方が秀逸だったという事だ。
主人公が、何気なく言ったたいしたことない言葉でも、周りと噛み合わなく、なんか酷く突き放された応えが返ってきてしまい、孤独を感じる。
結局1人なんだわ、だから彼氏が欲しい。
という結論というかテーマになる主人公なんだが、彼氏いたら孤独はうまるんだろうか?それは私とは違う答えだけれども。むしろ危ういだろう。そんな風に思ったが、それから数年後に文庫版をたまたま見つけた私は主人公がそれからどう向き合っていくのか気になって書店で一巻から買った。続きを慌てて買いに走ったのなんてどれ程ぶりかというハマりっぷりだった。
この漫画家さんが、自分で描いて救われたという作品は、私もそうだった。彼女の傷と私の傷はどこか似通っているのだろうか。
とりあえず彼女と私には共通点が多くあると思ってなんか嬉しかった。
彼女の作品から感じる彼女の孤独はとても私には慰めになり、癒しになった。私の孤独に随分と効いた孤独だった。
漫画という媒体で彼女は抱えている孤独をエンタテインメントに昇華しているが、私はどうしたらいいのだろう。
漫画なんて描けない。作家になりたいわけでもない。
でも、物語には興味がある。
物語をどう扱うかが重要なのだろう。
物語を扱うことは、私のトラウマ液作りに通じるだろうか。
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