薔薇〜The Rose
昨日の続きですが、特に関連はありません😅。
まずは透明な歌声を聴いてみましょう。
The King's Singers "The Rose "
Lurihaさんという方が、こんな「はるのうた」という詩を作られております。
「高2の春に詠んだ詩です。」と書かれていますが、古文に悩む高校生が多い中、こんな詩を書かれる方もおられるのですね。若々しい調べのなか、初々しさも感じます。
わたしなんか学生の頃は文章が苦手で一行も書けませんでした😓。
この歌、King's Singersの歌声を聞いたとき、「愛し」という古語が思い浮かびました(例えば…多摩川に曝す手作りさらさらに何ぞこの子のここだ愛しき〜東歌)。それでLurihaさんに見習って、文語調の訳詞を試みました。しかし音符に合った歌詞ではありません。と言うわけで未完成でありますので、今は習作としておきます。
薔薇
悲しさは川の流れ
か弱き枝は深く沈む
愛しさは刃の光
思ひは血潮に染まる
恋しさは飢ゑの傷み
求め尽きることなし
わが愛しみは花の憧れ
君が植ゑし御種の祈り
心をののけば
歌を忘れて舞はず
夢醒めむとして
野辺の蝶を見失ひぬ
孤りしあらば
身を捧ぐることもあらじ
魂窮まるときは
希み果てなむ
夜は長く寂しく
往く道なほ遥かに遠し
幸く強くあればこそ
美き幸もあらめと思ふ
さはあれどまた思ひ出づべし
冬のそのなか雪のそのした
凍れるその御種
春の日を待ち夢と開く
薔薇の花よ
原詞(英語)は、これ。(勝手に引用して著作権に触れないか心配ですが、読者の便宜のためここに上げておきます。)
高畑勲氏による平明な訳詞も載っています。同じものを見ても、人それぞれ見える景色は違うものです。
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2023-5-4覚書
○詩を作ったときから悩んでいた文法…
(未然形+ば)か、(已然形+ば)かという問題。
どちらが正しいかは、結局作者の意図によるので、以下のように考えた。
「こころをののけば」→心が慄いて居ると、きっと……する の意味にとる。
「孤りしあれば」→孤りしあらば とし仮定、一人でいるならば……だろう の意とする。
古典に詳しい方の批評を聞きたく思います。
○「舞ひを忘れて歌はず」→歌を忘れて舞はず に変更。
○「魂極まる」
「きはまる」には、(最高点に達する)と(終いになる)の二つの意味がある。ここでは終いになるの意なので、窮とした。
○見直せば他にもいろいろ問題点、修正したいところがあるけれど、今回は以上とします。