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私に一目惚れって冗談ですよね? 2
「エリー!今日から花嫁修業よ!先生を呼んでいるから直ぐに始めるわよ!逃げてもムダよ?早くこっちに来なさい!」
母上が…燃えています…
面倒ですね…
◇◇◇◇
話を戻しますと…
隣国のミハイル王子から婚約の申し込みがあったらしいです。
父上は、エリーが嫌なら断ってもよいのだぞと言ってくれましたが…
母上が…
「ミハイル王子ならイケメンだし…王太子じゃないからエリーでも大丈夫なはずよ?こんないいお話なんだから断るなんて言わせないわよ…分かってるわね?エリー?」と私に迫ってくるので…今は逃げられない…と悟り母上に従う事にしました。
逆らったら一番怖いのは母上なので…
ミハイル王子は兄の王太子が即位した後に公爵位をもらって臣下に下るらしいので、私は隣国の社交界の華になれとまではいかないが馬鹿にされない程度に色々叩き込まれるみたいです。
政略結婚でないなら断ったらいけないのですかね?
母上は不出来な娘がハイスペックなイケメン王子から求婚されて舞い上がっているようですが…
ミハイル王子と私…会った事ありますかね?
私…求婚される覚えがないのですが…
母上が燃えているのでしばらくは諦めて花嫁修業頑張ってるふりをしておきましょう。
その間に隣国に影の者を忍ばせてミハイル王子の身辺を探らせないと…
情報が無いと負けますからね!
どうして彼が私に婚約を申し込んできたのか探らないと…
隣国ってレアな薬草の産地だし、薬学もこの国より進んでいるから留学ならしたいけど…
結婚となると…どうだろう?
常に回復薬とか、毒薬作ってる嫁でもいいなら考えますが…
◇◇◇◇◇
普段は白衣にメガネ、ボサボサ頭のエリザベスであるが…
王女らしくドレスを着て髪も結ってメイクをしたら…
別人級に美しい王女になるんですが…本人は理解していないのでこの国では残念なエリー様と呼ばれている…
きちんとすれば、独身時代は社交界の華と呼ばれた母に似た美しい王女なのだ。
あくまでも、きちんとすればの話である。
そんな残念エリーに婚約を申し込む猛者ミハイル王子はどんな方なのでしょうね。
一方、妹は独身を貫くのだろうと思っていた王太子はミハイル王子有難うございます!どうか妹を早く嫁にもらって私を安心させて下さい!とミハイル王子に感謝の祈りを捧げていた。
父王がのんきな性格なので彼は王太子時代から苦労しているのだ。