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私に一目惚れって冗談ですよね?4

「エリー様!

影から報告がございますが…お時間宜しいでしょうか?」

影との連絡係をしている表向きは侍女のカミラから念話が入った。

「今忙しいのよ。後から直接こっちに来て!」

「了解です」

今日は花嫁修業は休みで暇なはずなんだけど…

気晴らしにハイポーションを量産して自分が経営する商会へ卸したところ、

しばらく品薄だったハイポーションが入荷したとあって商会は大賑わいらしい。

ハイポーション以外にも、毒消しや、痺れ薬、傷薬なども出荷したので店長からは…

「エリー様!人手が足りません!誰か助っ人を…」と言われギルドにお願いして臨時のアルバイトを派遣してもらったら…

ギルマスからうちもポーションの在庫が切れているんだよね。と言われたのでポーションとか、毒消し、傷薬、万能薬、風邪薬等を増産してるのだ。

ギルマスによれば、エリ様が作るお薬は美味しいし、安いし…効き目も抜群だから大人気なのよ?と言う話なので張り切って作っているのだ。

◇◇◇◇◇◇

今日はもうお終いにしますかね。

「カミラいるんでしょ?お茶が飲みたいわ!」

私は気配をさせずに側にいる侍女に声をかける。

「はい。エリー様のお好きな香草茶とマドレーヌですよ」

流石!カミラは私の好みを熟知してるわね。

「有難う!ポーション作りで疲れたから甘い物は最高の癒やしよ。で?ミハイル様の情報は手に入ったの?」

「影の話によれば、ミハイル様は幼少期にこちらの親族に預けられていたらしく、エリー様とは面識があるとの事です。」

「そうなの?人違いではなく私を知っているのね?」

「はい!森で迷子になり、怪我をした時に助けてくれた天使がエリー様だとおっしゃっているようで…」

「森に遊びに行く王女なんて私しかいないわね…しかも、迷子とかよく助けていたから思いあたる節が有りすぎるわ…私を天使と言う男性がいるとはね…」

「エリー様を真剣に想っていらっしゃるみたいでイケメンでモテモテなのにおつきあいはされた事がないようですよ?」

「なんか…痛くない?私を神聖化してそうでこわいんだけど…」

「初恋の君を探しているから君の気持ちには応えられないのです!とお断りするらしくて隣国では一途な王子として人気なんですよ?」

「わぁ…益々ヤバいよね?お相手が隣国のオタク姫じゃ…」

「エリー様はきちんとすればお綺麗です!社交界の紅薔薇と言われた王妃様の若い時に似ているとうちの母が言っておりますよ?」

カミラの家は代々うちに仕えているのだ。カミラの母は長い間、母の専属だったので…カミラもその辺の事情に詳しいのだ。

婚約者かぁ…

会うだけ会って嫌なら断ればいいか。父上は断ってもいいって言ってるし…

気軽な気持ちでミハイルに会うと決めたエリザベスだが…

執着王子ミハイルに囚われてしまうのか…

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