心模様は雨のち晴れ
せっかくの休日なのに…
さっきまで晴れてた空からは嫌がらせのような雨。
私ついてないなぁ。
おろしたてのスカートは、雨に濡れてぐっしょりしているし…
気合いを入れてセットした髪も水分を含んであっちこっちハネ散らかしてる。
慌てて乗った電車は、行き先とは逆方向だし、このままだと待ち合わせに遅れてしまう。
とりあえず遅れそうな事を伝えようとメッセージを送るけど既読がつかないから悲しくなる。
もう…帰りたくなっちゃったなぁ。
ため息をつきながら、電車の外の景色を眺める。
しばらく眺めていると、雨が上がって虹がかかっているのが見えた。
虹を見つけた事が嬉しくて、慌ててスマホのカメラで虹を激写していた。
そんな時、私の後ろで「そんなに慌てて撮らなくてもよくない?」って聞きなれた君の声。
振り向いたら…
久しぶりに会う君の笑顔。
「どうしたの?」って聞いて見たら…
慌てて電車に乗るのが見えたから一緒に乗ってみたよって、イタズラな顔でニヤニヤしている。
「悪趣味だよ!ずっと私の様子を観察してたの?」って抗議すると、
「見てたら面白いから声かけなかったんだよ」って笑ってるから、私もつられて笑った。
久しぶりに会うから迎えに行って驚かせようとしていたのに、慌てていた私は周りを全く見ていなかったから、彼が駅に迎えに来ていた事に気づかなかったみたい。
無事に彼と会えた事に安心した私は、髪がハネてる事も、スカートがぐしゃぐしゃになっているのも何も気にならなくなっていた。
コレで拭いたら?と彼が渡してくれたタオルでスカートの水分を拭き取ったら…
笑顔で言うんだ。
ねぇ。今から一緒にランチでもしない?ってね!
憂鬱な雨の日も、いつも隣に君がいてくれるなら悪くないなぁって思うよ。