サヨナラから始まる
もうダメだ…
家にたどりつくまでに倒れる自信しかないわ。
毎日人が辞めていくブラックな職場にしがみついて何とか生き長らえていたがここまでかもしれない。
全く力が入らない体にムチを打ち、一歩ずつ進む。
ヨロヨロと…
今日、何時間働いたんだっけ?
もう日付変わってるから昨日か…
目の前が霞んでくる…
あぁ、せめてあと一度だけあの娘と喋りたかったなぁ…
あの娘と言うのは行きつけのコンビニの店員だ。
どんなに混んでいても笑顔で対応してくれるあの娘と最後にひと言喋りたかった…
そんな事を考えながら僕は力尽きて倒れた。