美しい夜明け。
長年の友人ご夫婦に招かれて、初めてご自宅に行く。
静かにたくさん話す。素敵な時間でした。
ありがとう。
ふと、もうこういう時には贈り物をしなきゃな、と思って、ワインを買っていく。
「お前もそういう事ができるようになったんだな」、それから「花を買ってくるかと思った」に笑う。
花束をあげるのは好きだ。
一時期は誕生日やバンドの解散ライブに、
花束やデメルのチョコレート、マリークワントのポーチをあげていた。懐かしい。
いまのところ最後に花束をあげたのも覚えてる。とても美しいひとにあげた。
毎年、お誕生日にシャンパンを送り合うのが、
それからシャンパンに苺を入れて呑むのが、
恒例になっていたけれど、
しばらく音沙汰がない。
元気だといいけれど!。
ずっと会いたい、それでいて会えていないひと。だけれど、きっとまた会えるとどこかで、
信じさせてくれるひと。
そしたら、思いっきり愛の言葉をたくさん語ろう。
長らく馴染みになったバーにいると、
いやこの街で過ごしているといろんなことが過ぎ去っていく。
そのバーで起こるようなことを、小説にしたいとはずっと思っている。
例えば、「いつも隣には違うひと、だけれど綺麗な女性がいるよね」というようなことを言われたあとならなおさら。
例えば、年齢的にはちょっとだけ上になるおじさんが、おっきな声で、周りにも聞こえるような大きさで、自慢話や、その場にいる女の子と自分がいかに仲良しかを語るような、それでいて、周りの空気が冷えていくような時間を、
性格の悪い僕は、静かに聞いている。音楽をかけながら。
例えば、若い男の子たちが、やっぱりワイワイホモソーシャルのノリで、女の子たちの話しをしている時。
例えば、結婚しているか、しているなら子供の有無をずけずけと聞いているような時。
初老で、かつちょっとだけアセクシャルな僕は、それからジェンダーや、やっぱりルッキズムやマンスプレイニングやマウント(これが意外と僕はかなりの男性にマウントをとられがちになる)、モテ、ゲイに対する(とはいえそれのみらず、いわゆるマイノリティに対する)ヘイトが撒き散らされる瞬間。
スパッと切り捨てることをする時もあるし、
もっと怒らなきゃな…と反省する時もある。
(無理して男らしさ、自分が考える男らしい男を演じていた時期の反省もありつつ)
やっぱりそういう場面を切り取りたいし(小説で)、モテとは違うけれど、僕がある程度は女性に懐かれるのは、なんとなく分かる気がする…友達には「寄り添い方が自然過ぎて、ちょっと心配だ」とは言われながら。
傾聴ってのもあるかもな。
何が書きたいか迷子になってるなw。
ただ、一晩で起こる目の前のことを描けば、
いま世界というと大袈裟だけれど、
世界がどうなっているのかを描ける気がする。
バーって僕が行く場所しか知らないけれど、
それでも面白い。
友達の友達が僕の横に来て座り、
話してるうちにバンバン僕の帽子や頭を叩き、
「日本酒奢ってよ」とゲラゲラ笑いながら言ってきたから、一杯は奢って、
次の日、予定があったから、早めに帰る支度をして、彼女たちがお見送り(お店の前で挨拶をすること)しに来たから、
荷物を抱えて走って逃げた。
「身ぐるみ剥がされる!」と言いながら。
さらに笑う彼女たちには、僕も不思議に嫌な気分にならなかった。
いまはもう欲望もあまりなくなって、
年を重ねるってこういうことか、と思う。
お店に入れば、子供にしか見えない(年齢的にも子供であってもおかしくない)ピンクの髪の女の子が、「あんたはあたしの横!」って手招きするものだから、それも笑ってしまう。
たぶん20代や30代はじめなら、
僕はモテたい、良い車に乗って(免許ないけど)、美味しい食べ物を食べたい(偏食だけど)、
そんな欲望があったか…そんな欲望を持つ男性を少しは肯定していたかも知れない。
ただ、いまはひとり、そのバーでも音楽をかけて、静かに過ごすか、気心知れた友人と、穏やかに話していたい。
変わってきたなー、とも、変わらないなあ、とも思う。
丁寧な暮らしをしたいといまは思う。
オチはないけれど、
初めてお店で、ケースに入ったワインを買って、
一緒に呑ませて貰った昨夜。
ワインって美味しいんだなー、と初めて思った。
香りも味も、全然違うよなーって、
味蕾が良くない(ヘビースモーカーだし)僕でさえ、その味わいにびっくりした。
どんどんお酒を呑まない生活になってきているけれど、たまには本当に美味しいワインを呑むか!と決めた。
そんな年越しでした。
ここまでとりとめのない話しを読んでくださり、ありがとうございました。
また。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?