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「雨やいづくに」

 よく雨が降つてゐる。
 うす暗い午前の、暖かい室内はどこか異世界のやうな雰囲気で、
 それでゐて微睡む晴れた昼下がりと似た落着きを感じる。
 雪は降れば地に積り、その姿をとどめるが、
 雨は形を定めず、地に流れていつたいどこへ行つたのか。
 令和二年三月十三日

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