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「夏の宵道」

夏模様の浴衣が風にゆれてた
提灯の光に照らされて綺麗だ
まるで消えることのない花火のやうで
目が離せず石に躓いた。

飲み干したラムネの空き瓶を透かして
見える景色は晴天のプール底
そこで揺らぐ君の姿はとても儚かつた。

人影も少なく騒ぎも遠ざかつてく
帰り道の君の後ろ姿は暗くぼやけて
声音がだんだん切なくなり
夏の終はりをひとり悟る。

田んぼで蛙の声ばかり響いて
たまに君を見失ふのが恐くて
たまらず掴んだ手が温かく
君は笑つてからかつたね。

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